カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

「昔の子どもたち」~今とはまったく違う環境で育っていたという事実

 土曜日の朝のニュースで、現像所に保管されている映画フィルムの劣化が進み危機的な状況にあるという話をしていました。所有権を持つ会社や人が分からなくなってしまい、適切な処置ができないというのです。ただし今はそれについて話そうという気はありません。お話したいのは、中で紹介されたドキュメンタリー映画『教室の子供たち』(羽仁進:1955)のことです。私はそれを見て、とんでもなくビックリしてしまいました。

「カメラを意識しない生き生きとした子どもの姿をとらえた」と説明された画面の中で、小学校2年生くらいの男の子が二人、鉛筆をナイフのように持って、ニコニコしながら互いに突っつきあいをしていたのです。
 それが当時の子どもたちの「自然な姿」です。
 今そんな状況があれば「学校は何をしているのだ」と瞬時に怒鳴り込まれそうな場面です。

 どっちみち戻りっこありませんから、そんな時代が「いい時代」だったか「悪い時代」だったかということは議論になりません。しかし確実に言えることは、1955年と今日では、まったく違う子どもたちがまったく違う育ちをしている、ということです。

 昔の先生たち(親たち)は「偉かった」とか「偉くなかった」ということも、問題にはなりません。
 とにかく違うんだなあという思いに、圧倒された朝でした。