センター試験が終わりましたが・・・


 以前、国連難民高等弁務官緒方貞子さんについて調べていた娘が、

「どうしてこの人、こんな大学から国連に行けたのだろう?」

と呟いたことがあります。気になって覗き込むと、緒方さんは聖心女子大の出身です。

「ここ、偏差値、相当に低いよ」

 ああ、なるほどな、と思いました。

 今の子どもたちには、偏差値とは関わりなく行かねばならない大学とか、偏差値以外の規準によって成り立っている学校というものが分からないのかもしれません。

 聖心女子大について言えば、卒業生には皇后である美智子妃を筆頭に、緒方貞子曽野綾子藤野真紀子山谷えり子といったそうそうたるメンバーが並びますが、この人たちは偏差値によって聖心を選んだわけではありません。

 同じように、学習院大学という大学も、皇族の通う学校ですから、下々の者にはなんとなく煙たく、そうでない人には行くべき学校でした。

 総理大臣の麻生太郎は高校生の頃、「東大に行きたい」と言ったら、父親から「東大は、貧しい人が官僚になるために行く学校だ。お前みたいな(金持ちの)ヤツが、目指す学校ではない」と叱られたそうです。貧しい人の可能性を狭めてはいけないといった意味です(あの国語力で合格できたかどうか、ということは別問題です)。

 他にも、開業医や教員になりたい場合は地元の国立大学が最優先だとか、ジャーナリストだったら○○大学だとか、さまざまな基準やブランドがあったはずです。それが、共通一次センター試験によって、偏差値という価値に一元化し、全国の大部分の大学が序列化されてしまいました。

 小中学校に関して、文科省は来年度「特色ある学校づくり」に取り組む学校には優先的に予算をつける計画を進めています。しかし他方で、全国学力学習状況調査で価値の一元化を図れば、「特色ある学校づくり」などひとたまりもありません。

 今後の趨勢、注意してみていきましょう。