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「学業成績の良い国の子は、みんな勉強が楽しくない」~TIMSS2007の結果が発表されました

 「国際数学・理科教育動向調査」(TIMSS2007)の結果が発表されました。  
 TIMSSはOECDのPISAとともに日本の児童・生徒の学力低下を強烈に印象付けた国際比較です。
 その2007年版によると日本の子どもたちの成績はやや持ち直し、それがゆとり教育世代でも十分に戦うことができると証明したみたいで、文科省をあわてさせています。

 ただし、マスコミは相変わらず「『勉強楽しい』日本最下位…好成績とギャップ  中2のTV視聴は最長」産経新聞)などといった見出しで、学校を叩くことに余念がありません。
 成績は好位置だが、「勉強が楽しい」と答えた児童・生徒の割合が最低レベルで(ただし最下位というのはウソ)、中2のテレビ視聴時間が2・5時間で世界最長だからという意味です。
 しかしそんなことはまったく気にする必要はありません。
 私はTIMSSもPISAも結果が出るたびに詳しく見ていますが、日本も含めて、成績の上位の国は、こぞって『勉強は楽しい』で下位なのです。
 例えば中学2年生理科の『勉強は楽しい』のワースト3は韓国・台湾・日本ですが、テスト成績はそれぞれ4位・3位・2位です(49か国中)。
 また、テレビ視聴時間が世界最長だといっても、コンピュータに向かっている時間は合わせて1・6時間程度。それに比べたら中2理科世界1位のシンガポールは、テレビの視聴時間こそ2・3時間と日本より短いものの、4・3時間もコンピュータの前に座ってゲームだのインターネットだのをしています。それでも世界一です。

 マスコミはどんな統計を前にしても、学校を叩く方向でしか数字を読むことができません。
 そんな論調には惑わされず、私たちは粛々と行うべきことを行えばいいのです。