地上の神


 何らかの発達障害を持つ児童生徒はおよそ6%というのはよく聞く話です。それ以外に知的障害を持つ人が2%、身体障害を持つ人は2・9%で、先天的心臓疾患が1%。重複障害を差し引いても、全体でおよそ10%の子どもがなんらかの障害を抱えてこの世にうまれてくることになります。

 これは生物学的にほぼ定められた数字で、現在のところは逃れる術はありません。誰かが10本に1本の割合で、この思い籤を引かねばならないのです。

 ここで残りの9本を引いた人たちについて、それが幸運かどうかは疑問です。なぜなら、この人たちは「運よく障害を引き受けなかった人たち」と見ることも「不幸にも、障害を誰かに押し付けた人たち」と見ることも、両方できるからです。

 誰だったのかどうしても思い出せないのですが、私は以前、こんな話を聞いたことがあります。

「障害を持って生まれた人たちは、地上の神様のような人たちなんだよ。だって、私たちが引き受けたかもしれない困難を、みんなもって行ってくれた人たちなんだもの」

 私は、障害を持つ子の教育を考えるとき、いつもこの言葉を思い出すようにしています。そして、時に我慢のならない場合もありますが(というのは、中には高慢や身勝手を障害特性として持つ子もいるからです)、この地上の神様のために一生懸命尽くそうと考えています。

(もっとも健康に生まれたからといって心身ともに健康に育つ保証はありません。親を喜ばせ、親の願うとおりに育つ子なんて、ほんとうにごくわずかです)