あれ?


 昨日に続いて今日も、思って空を見上げたら、月と星達が入れ替わっていました。

 たった一日で月の周りを星たちが半周したのかと思いましたが、よく考えたら金星も木星も月の衛星ではないのですから、半周回るなどという器用なことはできません。月の方がふたつの星の間を抜け、天空を左上に移動したのです。

 月は、地球の周囲をおよそ一ヶ月かけて一周します。30日で360度回るということは、一日につき12度ずつ移動することになります。その12度が、昨日から金星・木星を追い抜いた距離なのです。明日、同じ時刻に空を見上げると、ふたつの星と月の間の距離はもっと離れ、月はさらにふくらんでいるはずです。

 太陽から離れれば離れるほど月はふくらんで、15日で12度×15日=180度、つまり太陽と正反対の場所に行ったとき、満月になります。

 だから月の運行に頼った太陰暦の時代は、15日の夜(一五夜)の月は必ず満月でした。

 ついでに言えばその時代、時刻は時計に拠らず、太陽の動きを見て決めました。太陽が顔を出す時刻が「明け六つ」、沈む時刻が「暮れ六つ」で、その間をきちんと割って時刻を決めます。したがって夏は働く時間が長く、冬はぐんと短くなってしまいます。

 月の形を見れば何日かが分かり、太陽の動きを見て働く時間を決める、なんとも自然で優雅な時代だったような気がします。