カイト・カフェ

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「藤野先生のこと」~中国で最も有名な日本人の話

 先日の国際交流でポーランドから来た方が、ポーランドの有名人としてショパンワレサの名前しか上げられないのを聞き、一瞬「何だ二人だけか」と思いました。しかし翻って、「日本人で世界的に有名な人は何人いるのか」と考えたらこれがまったく思いつきません。よく考えもせず、人を馬鹿にするものではありませんね。
 ところでさて、外国の方に「日本人でもっとも尊敬する人は誰ですか?」と聞いたら、どんな答えが返ってくるでしょう?

 これについては有名な話があります。
 かのJ・F・ケネディアメリカ大統領に就任した時の話です。
 ある日本の記者が会見で「日本人で尊敬する人は誰ですか?」と質問したところ、ケネディはたちどころに答えたのです。
「ヨウザン・ウエスギ」
 しかし会見場にいた日本人記者たちは誰一人として「ヨウザン・ウエスギ」を知りませんでした。「ヨウザン・ウエスギ」とは江戸時代中期の米沢藩第9代藩主「上杉鷹山」のことです。

 しかし、その話は別にまたしましょう。それとは関係なく、私がいま心の中に思い浮かべている有名人は1904年当時、仙台の医学専門学校で教鞭を取っていた藤野厳九郎という人です。世界的にはどうか知りませんが、中国では間違いなく、知名度ナンバーワンの日本人です。

 高校の教科書に今も残る話ですので、覚えておられる方も被いと思いますが、魯迅が小説「藤野先生」で書いたこの人について、私はまた最近読み直し、深く考えることがありました。しかし紙面が尽きました。これについても、改めてお話しましょう。