カイト・カフェ

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「ハナの下を伸ばす」~ミニトマトの育て方

 トマトやミニトマトは比較的楽な作物で、しかも長く収穫できるので毎年苗を買ってきて植えています。しかしトマトはトマトなりに厄介なこともあって、腋芽をそのままにしておくとあっという間にミニ・ジャングルみたいになってしまうし、マメに腋芽を取って一本立にするとどんどん上に伸びて、最後には支柱の高さを越え、しかたないので上から垂らすといったみっともないことになったりもします。
 どうしたものかと思っていたら「プロに聞く裏ワザ」みたいな本に面白いことが出ていました。

 それによると、トマトは花房が二つつき、その先に二枚の葉がついたところで先端をつぶしてしまう(摘芯)のが良いらしいのです(葉を二つの残すのは、そこまで水や養分を吸い上げるためです)。しかしそのままだと成長しようがないので、そこで腋芽を利用します。

 下の花房(第一花房)のすぐ下の腋芽を1本だけ伸ばすのです。良くしたもので、第一花房の下の腋芽は、特別に力強いものが伸びてきます。

 残した腋芽が伸びて花房を二つつけたら、同じように葉が二枚つくのを待って先を摘芯します。そして同時に第一花房の下の腋芽を残し、他の腋芽をすべて摘んでしまいます。つまり同じことを、繰り返し繰り返し行っていくのです。(下図)

 花の下(の腋芽)だけを伸ばすので、私はこの方法を「はなの下を伸ばす」と名づけました。

 これだと、同じ高さに花房(将来の果房)が二つずつついて効率がいいですし、何よりも全体が蛇腹に織り込まれるので、半分の高さで足ります。それに見た目も美しいのです。

 植物の楽しさの一つは、こんなふうに教科書通りにやるとほぼ確実にうまく行くところです。しかしそれが同時に、植物のつまらなさにもつながります。
 人間は本当に思い通りに行かない。そしてそれが子育てや教育の面白さだと思うのです。

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(黄色は花房・・・のつもり)