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「童謡の日」~児童文芸誌『赤い鳥』の創刊した日

 今日、7月1日は「童謡の日」だそうです。
 大正7(1918)年7月1日の児童文芸誌「赤い鳥」創刊にちなみ、日本童謡協会が1984年に制定しました。

 主催者鈴木三重吉は、当時の政府が主導する唱歌や説話に反対し、子どもの純粋な気持ちを育む童謡や童話を創作し広めようと考えて、この雑誌を創刊したとされています。また、こうした考えに立って行われた文芸運動は「赤い鳥運動」と呼ばれます。  
 大正7年の創刊号には芥川龍之介有島武郎泉鏡花北原白秋高浜虚子徳田秋声らが賛同の意を表明し、表紙絵は清水良雄が描きました。その後、菊池寛西条八十谷崎潤一郎三木露風といった作家も作品を寄せています。実に錚々たるメンバーです。

「赤い鳥」から世に出た童話には、蜘蛛の糸」「杜子春」(芥川龍之介)、「一房の葡萄」(有島武郎)、「お馬」(鈴木三重吉 、そして教科書にも載っている「ごん狐」(新美南吉)などがあります。 また童謡では「からたちの花」(北原白秋)、「かなりや」(西条八十が有名です。

 特に「かなりや」は芸術的な詩に格調の高い曲がつけられ、それまでの唱歌とはまったく異なる趣で、人々に衝撃を与えたといわれています。
 1970年代に活躍したフォーク・グループの「赤い鳥」も、そうした流れを受け継ごうと、この名をつけたのだそうです。