「心理療法としての音楽」~まもなく音楽会!

 ◯◯セラピー、◯◯療法と呼ばれるものは山ほどあります。
 ちょっと思いついただけでも、集団療法、遊戯療法、コラージュ療法、絵画療法、音楽療法、グリーンセラピー、アニマルセラピー、森林セラピー・・・。

 心理療法の現場や老人ホームのリハビリテーションルームで、人は集団で話し合ったり、子どもっぽい遊びに耽ったり、絵を描いたり、歌を歌ったり、そんなふうに時を過ごしています。植物を育てたり動物と触れたり緑のある場所を散策したりすることが癒しになることを、私たちは経験的に知っているのです。

 なぜそれが「心」に良く、心理的な混乱を解消してくれるのか、科学的説明は十分にできないのだけれど、とにかく目の前に困難を抱えている人がいて効果があるならやってみよう、それが臨床心理学(現実に心理的困難を抱えている人々を救おうという現場の心理学)の立場です。臨床心理学は『経験の学問』と呼ばれ、論理的な説明は強く要求されません。

 ところで、「集団で話し合ったり、遊びに耽ったり、絵を描いたり、歌を歌ったり・・・」と書くと、そんなことばかりしている場が、もうひとつあることにすぐに気がつかされます。言うまでもなく、学校です。つまり私たちの世界は、実に心理療法的なのです。
 私たちの先輩は、音楽や絵画、体を動かしたり森に出かけたり、みんなで活動するといったことが子どもを育てる上で重要だと経験的に気がついてきたのです。音楽会や写生会、運動会、畑を作ったり動物を飼ったり・・・、見方を変えると、音楽や美術、体育や理科ばかりが大切にされているようにも見えますが、そうした理由があるのです。

 まもなく音楽会。指導の合間にそんなことも考えてみるといいのかもしれません。