カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

「社会に対する基本的な信頼感が、危機に瀕している」~大きな事件が続いて

 25歳について、次のような記事がありました。
 容疑者はネットに毎日の不満を書き込んだ末に暴発した。秋葉原で働く美容師、藤野雄也さんは、自分たちを「身近な暴力が排除され始めた世代」という。「親や教師はいじめを恐れ、言い争いさえ許さなかった。僕らの世代は感情を押し込める傾向が強い。容疑者は不満をどうしたらいいのかわからず自暴自棄になったのではないか」産経新聞 6/11)

 どこに行っても「不審者対策」「子どもの安全をどう守るか」です。
 現代の子どもたちは24時間大人に見守られ、世界の人々の大多数が悪人であるかのような教育を受けて育ちつつあります。そしてその間、大切なものをたくさん失っているのかもしれないのです。

 春の小川のせせらぎの横で芽を出したフキノトウ
 梅雨時の田んぼの横を信じられないほどの量で飛び急ぐカエルたち、
 秋の紅葉のさまざまな色や形。
 友だちとけんかすること、仲直りすること。
 世の中の大部分の人が実は善人で誠実で、信頼するに足ること。
 日本は、今でも有数の平和国家であって、警察官は非常に有能であること。
 教師は、保護者以外でほとんど唯一、現在のキミと将来のキミのことを本気で考え、心配してくれる人であること。

 たいていの人は死ぬまで、重大な犯罪に巻き込まれることはないこと、
人間というものはほとんどが天寿を全うし、容易には死なないこと。
 どんな場所にも幸せは転がっていること・・・。

 そうした社会に対する基本的な信頼感が、今、危機に瀕しているのです。

 私は、基本的に世界を信頼できる子どもを育てたいと思います。少なくとも、わが子については、世界を信頼した上で殺されるなら、それがその子の運命だと引き受けるだけの用意があります。