カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

「自らに課するもの」~それがなければ人間はダメになる

 文明というのは、人間が自分自身で行ってきたことを他人や機械に代行してもらおうというシステムです。つまり人間は楽をするために努力してきたわけで、逆に言えば基本的に楽をしたがるのが人間なのです(エネルギーの消耗を抑えるという意味では、すべての動物がそうなのかも知れませんが)。

 放っておけば人間は楽に流れるということは、心しておかなければなりません。どこかに自分に課するものがないと、なし崩しに崩れてしまう心配があるのです。もちろん胆力に勝る優秀な人はいいのですが、私のような普通の人間はきっとそうなります。

 朝は必ず7時までに出勤するとか、毎朝子どもにためになる話をする。放課後は机上がきれいになるまで帰らない、家では日記を書く、どんなに時間がなくても最低10分間の読書をする、英単語を5個ずつ覚える、掃除をする……なんでもいいのですが、1日ひとつ必ず果たすことを決め、それを頑固に守る、それによって初めて規律ある生活は始まる、そんなふうに思うのです。
(ただし、私が何を自分に課しているかはナイショです。途切れたときに恥ずかしいから)

 私は子どもにも同じことを言います。
 朝6時に必ず起きる、犬の散歩に出る、家に帰ったらまず宿題をする、皿洗いをする、寝る前に本を読む、寝る前に必ず翌日の準備をする・・・なんでもいいのです。それが生活を整え、強い人格をつくると信じているのです。