カイト・カフェ

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「もっと勉強しなくちゃ」~心に関わる用語の難しさについて

 先日の職員会の最中に「境界性人格障害」という言葉が出てきてちょっと驚きました。中学校ではしばしば出てくる言葉ですが、小学校ではめったに出ない言葉のように思っていたからです。

 自閉という言葉がしばしば「閉じこもり」や「引きこもり」と混同されるように、「境界」も無用な誤解を与えます。確かに元は「精神病」と「神経症」の境にある症状として「境界例(ボーダーラインケース)」が生み出されたのですが、今はまったく別のものです。にもかかわらず、言葉をそのまま残してしまったので分かりにくくなりました。

 この「境界例」の中に「境界性人格障害」があるのですが、その「境界性人格障害」も「境界例」と呼ばれたりするので、さらにわけが分からなくなります(これ以上考えるとどんどん分からなくなるので、分からなくても分かったことにして話を進めます。私自身もそうしています)。

 人格障害というのは「極端な考えや行いにより社会への適応を著しく脅かす人格的な状態」と定義されます。遺伝的なのか環境因が強いのかよく分からないのですが、とにかく「生活に支障をきたすほどの人格の歪み」と考えれば大体あっています。そう思って見回すと、自分も含め人格障害的な人は山ほどいますが、要は「生活に支障をきたす」かどうかで、似たような人がいるのは当然なのです。

 子どもの問題を考えるとき、一度はこの人格障害かもしれないという観点から見てみるのも必要なことなのかもしれません。

 もうひとつ、
 小児うつ病かもしれないという観点から問題を見直す目も時には必要です。特に不登校は、その部分を抜きにするとうまく行くものも行かなくなります。

 広汎性発達障害ADHDについてはずいぶん理解が進みました。しかし私たちが学んでおかねばならないことは、まだまだ山ほどあります。