カイト・カフェ

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「子ども居場所づくりの本筋」~その子が必要とされ、役に立つ場

 わけあって義母を2ヶ月ほど施設に入れたことがあります。値段もよかったのですが人的・物的に非常に整っていて、すばらしい施設でした。その中で義母は呆けたように暮らしていました。

 それからまた事情が変わって年季明けみたいに自宅に戻り、お茶を入れたり片付けものをしたりと何かと働く義母を見て、ふと感じたことがあります。それは「人は役に立ってこそナンボ」ということです。

 施設には確かに義母の居場所は確保され、何不自由ない暮らしが保障されていましたが、それは決して人間らしい生き方ではありません。多少不自由ではあっても、帰ってくる家族のためにお茶を入れたり風呂の火をつけたりと、どんな小さなことであっても「人に役に立っている」「必要とされている」という感覚があってはじめて、人は生き生きと生きることができるのです。

 子どもたちの居場所づくりといったとき、すぐに考えられるのが物理的に存在する場所や施設だったり、子どもたちが大切にされる環境だったりしますが、本当につくってやらなければならないのは、その子が必要とされ、役に立つ場なのだと、私はそう思います。