カイト・カフェ

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「銀河」~芭蕉の句の先に見えるもの

 今日、5月16日は松尾芭蕉奥の細道の旅に出発した日とされています(1689年、旧暦3月27日)。

 夏草や 兵(つはもの)どもが 夢のあと
 五月雨の 降り残してや 光堂
 五月雨を あつめて早し 最上川(もがみがは)
 一家(ひとつや)に 遊女もねたり 萩と月
 むざんやな 甲の下の きりぎりす

 芭蕉については好きな句がいくつもあるのですが、中でも好きなのは
 荒海や 佐渡によこたふ 天の河
という句です。

 漆黒の荒海があって、その上に、不動の佐渡島が薄く左右に広がり、さらに上空を見上げると満点の星というダイナミックな句です。

 私たちの銀河はおよそ200億の恒星が集まっているといわれています。200億という数字はぴんときませんが、1mmずつ印をつけていくと2万キロメートル、地球をおよそ半周してしまう距離になります。

 宇宙にはその200億個の星からなる銀河系のような島宇宙が、ほぼ200億ほどもあるといわれていますから、想像もできないような量です。

 今から300年ほど前に新潟の海岸で芭蕉が見ていたのも、同じ銀河なのです。それだけでもワクワクしてきます。でも、こういう感動って、子どもに伝えるのは難しいですよね。