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「大臣に誉められた警察官が羨ましい」~教員は総理大臣にケチョンケチョンに言われている

 数年前、「日本沈没」という映画を見て、その最後の場面で腹を立てたことあります。総理大臣代理の大地真央さんが、日本が救われたこと国民とともに喜びあう場面で
「最後に、私は日本を救ってくれた二人の若者に、感謝の意をささげたいと思います」
と言ったからです。映画では全編に渡って、大量の自衛隊員や警察官、総理大臣直属の国家公務員や多くの国家・地方公務員たちが、一人でも多くの市民・国民を救おうと不眠不休の努力している様子が描かれていました。なのにそうした公務員の長であるはずの内閣総理大臣が、部下である数百万の公務員を差し置いて、「二人の若者に感謝します」、それはないだろうと思ったのです。

 さて、土曜日に行われたオリンピックの聖火リレーに関して、日曜日に高村外務大臣が「日本の優秀な警察官のおかげで……」といったコメントを出していました。マスコミは市井の人々の「物々しすぎる」とか「過剰警備」といった言葉を平気で拾って流していましたから、高村大臣のこの言葉はきっと警察官の励みになったことと思います。

 私たちは昨年、総理大臣の私的諮問機関である教育再生会議によって、
「今日の学校教育は、学力低下未履修問題、いじめや不登校、校内暴力、学級崩壊、指導力不足の教員、『事なかれ主義』とも言われる学校や教育委員会の責任体制のあいまいさ、高等教育の国際競争力の低迷など、極めて深刻な状況も見られます」
と、それこそめちゃくちゃに叩かれてしまいました。「公教育の機能不全」とまで言われて、それでも一生懸命働かなければならないのですから、教師というのも本当に大変な仕事です。

 高村外務大臣は警察の直接の上司筋に当たる人ではありませんが、それでもテレビで誉めてもらって、長野県警・警視庁、ちょっと羨ましいなと思ったできごとでした。