夜の思考・電話の魔力


�@人が会話をするとき、相手から受け取る最も多い情報は視覚によるものだと言われています。何が語られたかではなく、どんな表情や身振り手振りで語られたかの方に意味があると言うのです。  アメリカの心理学者アルバート・メラビアンによれば、人にインパクトを与える要素は、服装や表情、動作など目から判断される視覚的情報が55%、声の大きさや、速さ、間など、耳から判断される聴覚的情報が38%、そして話の組み立てや敬語など、言葉遣いから判断される言語情報はわずか7%だといいます(「メラビアンの法則」または「7-38-55のルール」)。  これは簡単な実験で試せることであって、小さな子どもを叱るとき、「やさしい表情」と「きつい言葉」で叱るのと、「恐い表情」で「やさしく語りかける」のと、どちらに効果があるか試してみればいいのです(私たちの仲間にも、一瞬の目の表情で子どもを凍りつかせることのできる人がいますが)。  電話で話すということは、つまり能力の半分以下で勝負することなのです。  電話での抗議が時に異常に高飛車になるのはそのためで、抗議を受ける側の恭順や怯えの表情がまったく伝わって行きませんから、どうしてもブレーキがかからないいのです。また、説明やいい訳をする場合にも、相手の表情に合わせて内容や言葉遣いを変えていくということもできませんから、どうしても通り一遍の感じになってしまいます。難しい話は、電話でしてはいけないのです。 �A県庁や市に届く抗議のメールの大部分は夜中に書かれたものです。日中は仕事があってそんなことをしている暇はないということもありますが、感情を高ぶらせそのままメールを送るには夜の魔力が必要なのです。昼間、明るい太陽の下では、人間は思いつめるということが難しいのです。  ラブ・レターだって夜中に書いたほうが情熱的に決まっていますし、夜中に書いた日記に昼間しらけるのもそのためです。つまり、落ち着いて話すには夜は避けたほうがいいのです。  さて、以上2点から導き出されるのは、大切な話や難しい話は、日中、直接あってしなさい、ということです。  どうしても夜でなければならないなら直接家庭訪問して、あるいは  どうしても電話でなければならないなら昼のうちに、それが次善の策です。  夜の電話が最低です。  私は家庭訪問が大好きですから、難しいことがあると、すぐに家庭に押しかけます。