子どもたちは別れを惜しんだり思い出に耽ったり、少し涙ぐんだりはしゃいだりして卒業して行きますが、私たちはもっと冷静にいられます。
この子たちの行く末は昔ほど単純ではなく、立ち向かうにはあまりにも弱いことを知っているからです。
本当はもっと力をつけてあげたかったのに、今や学校は鍛えるという機能をずいぶんと失ってしまいました。優しい言葉の魔術だけでは、子どもを育てるには十分ではないのです。
しかし愚痴を言っても始まりません。十分に力をつけられなかったことを悔いながら、けれどいつでもキミたちのことは気にしているよ、とサインを送りながら、あの子たちを見送りましょう。