親のできないことは、子どももできなくてよいのか?

 昨日、6年生の禁煙教育の授業がありました。

 かなりショッキングな映像が盛りだくさんで、子どもたちは「絶対にタバコなんか吸うまい」と堅く決心したことと思います。ただし、喫煙の始まりは常に好奇心と人間関係ですから、2年後、3年後、もしかしたらあの子たちの中からも喫煙で指導を受ける子どもが出てくるかもしれません。

 そのあたりは講師のM先生(K病院禁煙外来)も承知で、「吸う子は吸う。絶対に防ぎきれない数%はどうしても残る。しかしその手前にいる『ちょっと手を伸ばしてみようかな』と思うかもしれないそんな子どもたち、それをゴソッとこちらに引き寄せる、それが私の仕事だ」と、おっしゃっていました。私もそう思います。

 さて、話は少し変わりますが、昔、中学生の喫煙に関する指導で親を呼んだとき、一人の母親がこんなことをいったことがあります。

「私も主人もタバコを吸いますので、息子にはどうしても強く言えないんです・・・」

 しかしそれは違う、と私は思いました。

 タバコは(一日に吸う本数)×(年数)が400を越えると突然ガンの危険領域に入ってきます。つまり、二十歳になってから始めたとして20年後、40歳の段階で危うくなるのです。

 平均的な40歳の男性の姿を思い浮かべてみましょう。

 28歳で結婚して2年後に最初の子が生まれ、その4年後に二人目に恵まれたとします。すると40歳の時にはそれぞれ小学校の5年生と1年生です。上の子がそろそろ中学生で下の子はようやくこれからという時にガンで死んでいく無念、考えて見ましょう。

 社会的にも40歳といえば一番仕事のできる時期です。そのすべての可能性を捨て、他人に迷惑をかけながら死んでいく切なさ・・・

 そういった悲しさを将来のあの子に負わせていいのでしょうか? そういう姿を想像しても、まだわが子の喫煙を許せますか?

 幸いあなた方夫婦は今日まで元気で暮らしています。しかしだからといって、お子さんが同じように幸運だとは限らないのです。

 あの子が愛おしいと思うなら、絶対にタバコはやめさせなければなりません。

 それはあなた方が吸うのとは、全く別の問題なのです。