カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

「本物を見せる」~作品づくりの前のイメージづくり

 昔、
「先生、国造(くにのみやつこ)ってなに?」と聞かれて、「今の県知事みたいなものだ」
と答えたら、「先生! 県知事って何?」と、再度聞かれて呆気に取られたことがあります。
 考えてみたら社会科では歴史が先、政治経済があとですから知らなくても当然かもしれません。
 学校で習わなかったことは、知らなくて当たり前、といった時代ですから・・・。

さて、
 4年の田口先生のクラスの廊下には、書写(習字)の作品「ゆず」が飾ってあります。その一番端に柑橘類の「ゆず」の写真が貼ってありました。
「ゆず」がどんなものであるかを知って書くのと知らずに書くのとでは、おのずと字が違ってくるでしょう。あるいは書いている最中でなくても、「ゆず」を子どもに見せておくことはやはり必要だと思います。「ゆず」がどんなものか知っているだけでも、心豊かになろうというものです。

 牛の絵を描かせるのに、実際の牛を見させることはよくあることです。しかし牛のVTRを撮ってきて繰り返し流している先生は稀です。
 その昔「親知らず子知らず」という歌をクラスの合唱曲に選んだために、日曜日、わざわざ「親不知」(新潟県糸魚川市外波)まで行って何枚もの写真を撮ってきた人がいました。

 昔はそんな先生がたくさんいました。
 そして今も、そんな先生はたくさんいます。

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