カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

「ボーイスカウトも、医者も警官も国家公務員も・・・」~何をやっても責められるなら辞めてしまおう、という話

 自分の子の関係で、先日ボーイスカウトの会合に行ってきたのですが、かつて30万人を誇った組織も最近では18万人台まで落ち、将来的には15万人を切ると予想されているのだそうです。
 そこで連盟が調査に乗り出したのですが、調べてみると加入者はさほど減っていないのに、脱退者が多くなっている、そこから反省が始まります。なぜ次から次へと脱退者が出てしまうのか・・・。

 保護者としてはなんとなく原因が分かる気がします。
 その第一は中学校の部活動や社会体育のためです。野球はまだしも、10数年前なんてサッカー少年はそれほどいませんでした。それ以外にも最近は水泳だの新体操だの、中学生になるころには本気で極めてみたいスポーツが山ほど出てきて、休日の活動は主にそちらに傾いていきます。

 第二に、スカウト活動は小学校就学前から始まっていますから、ボーイスカウト(小5の9月から)に上進するころには野外活動など一通りのことが終わってしまっていることに原因がありそうです。一通り経験してあとはそれぞれの技能を高めて行くだけなのですが、現代の子どもはこうした辛抱強いことができません。常に新奇なものを与えていないとすぐに飽きてしまうのです。

 そうしたもろもろの「子どもの側の変化」にもかかわらず、連盟の原因追及はリーダー(指導者)の資質に求められていきます。そしてさまざまに厳しい規制の網がかけられようとしているのです。どこかで聞いたような話です。

 これを話してくれた年配のリーダーは、これでは純粋にボランティアでやっている若いリーダーたちが育たなくなってしまうのではないかと本気で心配していました。これも、どこかで聞いたような話です。

 医療ミスをされるくらいなら産科医も小児科医もいらないとばかり叩いてきたおかげで、各地の病院から次々と産科・小児科が消えてしまいました。
 警察官も国家公務員も、もう真っ当な人間のやる仕事ではいといった雰囲気になりつつあります。

 しかしがんばりましょう。現在の日本で、組織的・網羅的に子どもたちを教育できるのは私たちしかいないのです。私たちが手を引いてしまったら、教育からもれ落ちる子はものすごくたくさんいるのです。