カイト・カフェ

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「子どもの成長」~不ぞろいな階段

 子どもの成長と言うものはなだらかな右上がり曲線ではなく、不ぞろいな階段である。

 私が最も大切にしている、先輩からのアドバイスのひとつです。

 それは、赤ん坊と付き合っているとつくづくよく分かることです。たとえば、この子はさっぱり寝返りを打たないなあと心配していると、ある日突然できるようになる、そしてできない赤ん坊に戻ることは決してない。
 ハイハイができるようになるとき、掴まり立ちができるようになるとき、歩き始めるとき、そのそれぞれの時期、すべて同じように一度ステップアップすると、二度と元の位置に戻りません。

 私の息子は言葉が遅くてとても心配しました。ところがいったんしゃべり始めるとしゃべる、しゃべる、まるで言葉を発しなかった時期の言葉のダム湖を、一気に決壊させたような有様です。逆に言うと、長く溜め込んだものは一気に吐き出されるようなのです。

 児童生徒の学習を見ていても、短いステップをトントントンと細かく駆け上がるように成績が上がって育児期があるかと思うと、全く停滞してしまうときもあります。努力しても成果が成績に反映してこないのです。
 しかしその時期にこらえていると、ある日突然、成績の急上昇が始まります。成績の上がらない時期にがんばり通した者だけが、急上昇を一気に成し遂げるのです。

 うまくいっているとき頑張るのはそう難しいことではありません。しかし階段のステップ上に長く留まるとき、そのとき頑張り続けるのは容易なことではありません。そこにこそ、私たちの出番はあります。