カイト・カフェ

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「ケータイという悪魔」~その5台先には全日本人が入ってしまう

 今やテレビを見たり買い物までできるといったレベルまで機能を高めた携帯電話は、電話としての本来の機能を極端に縮めてしまったという意味で、「ケータイ」と表記することが多くなっています。調査では小学生の2割、中学生の半数、高校生はほとんど全員が持っている(「キッズリサーチ」)そうです。もちろん親が買い与え、小中学生の場合は使用料も親が払っているのです。

 買った理由は安心と便利のためだと聞いています。しかし親は、一昨年の11月、奈良で起こった小1幼女誘拐殺人事件の被害者がGPS付きのケータイを持っていたことを忘れたのでしょうか? そのケータイから女児の遺体の写真が送りつけられたことも忘れてしまたのでしょうか? あんな危険なものを子どもに買い与える大人の気持ちが分かりません。

 ケータイを与えると、子どもの人間関係がまったく見えなくなってしまいます。固定電話で「◯◯君いますか? △△ですけど」とやっていた時代とは違うのです。部屋の中で長電話してるなあ、と感じたそのときの相手が、新宿の歌舞伎町で歩きながら話しているといったことはよくあることですし、その相手が見ず知らずの人間だということも大いにありえます。昨年、長野県小諸市の小6の女の子が、出会い系サイトに書き込みをしてから31歳の男と家出するまでにかかった日数はわずか二日です。

 私のようなおじさんですら、ケータイには40件以上のメールアドレスがあります。さて、その40人に同時にメールを送り、その40人がそれぞれ40人にメールを送るというネズミ算をやってみましょう。
 すると1世代で40人、
 第2世代で1600人、
 第3世代で6万4千人、   
 第4世代で256万人になります。
 第5世代では1億240万人で日本の総人口に迫り、   
 第6世代で約41億人、       
 第7世代まで計算すると宇宙人にまでメールが届くことになります。
 わが子が持っているケータイの5台先には全日本人が(極悪人も変質者も職業的詐欺師もみんな)いる、そのことに恐れを持たないとしたら、その方がよほど異常
なのですが・・・。