「ロウソクの科学」はマイケル・ファラデー(1791 - 1867)がロンドン王立学院で行った、連続6回のクリスマス子ども向け講義をまとめた本ですが、分かりやすく楽しい授業の代表としてつとに有名なものです。
その講義の合間のことです。ファラデーが控え室で休んでいるとひとりの貴婦人が笑いながら訪れてきて、
「ウフフ、ファラデーさん、私、知ってますのよ。あの、ロウソクを燃やすと水と熱と二酸化炭素ができるっていうお話、全部ウソなんでしょ? 騙されませんわよ、私」
そう言うと返事も待たず、軽くウインクしてまた笑いながら出て行ってしまったのです。ファラデーはただ黙って見ていただけでした。
さて、今日は理科の研究授業。
今日の授業の先に未来のファラデーがいるのか、お茶目な貴婦人が生まれるのか、興味深く見てみましょう。