カイト・カフェ

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「下足箱の靴を揃えるのは実は簡単」~はきものをそろえると③

  今週の火曜日の放課後、忘れ物を取りにきた児童のために玄関を開けてやって、その子が戻ってくるまでの時間、手持ち無沙汰なので何なんとなく上履きをそろえ始めました。そうやってそろえてみるとけっこう気持ちがよいので、翌日は午前中に児童玄関に行って、今度は下足の方もそろえました。598足、片端そろえてみるといろいろ面白いことがわかってきます。それはたとえば、どんな子が靴のかかとを踏んづけてサンダル履きにしているかといったことです。

 そんないいかげんな履き方をしている中高生をたくさん見ていますので、何とはなしに高学年の、ちょっと生活の崩れた子たちがサンダル履きをしていると思ったのですが、あにはからんやダメなのは中学年なのです。それも考えてみればあたりまえで、彼らは靴をしっかり履くなんてことよりも早く遊びに行くことの方が大事なのです。それにまだまだ靴を履くのがへたくそです(たとえばすんなりと履くにはどの程度靴紐を緩めておけばいいかなどということはわかりません)。ですから生活に落ち着きを増し、靴を履くのがうまくなると普通はサンダル履きをやめます。高学年になるほど靴をきちんと履きますが、例外は1年生で、これはまだまだまじめだからでしょう、ほとんどの子はきちんと履いています。

 靴にまったく気を使ってもらっていない子がいることも知りました。学校に置き去りになる上履きがボロボロなのは許せるにしても、毎日見えるはずの下履きがボロボロだと本当にかわいそうになります。

 小学生なのに踵の減り具合が左右極端にアンバランスな子がいます。歩き方に問題があるということは身体そのものにも問題があるのかもしれません。心配してあげる必要があるでしょう。

 さて、そうやって4日ほど靴をそろえているうちに、私はとんでもない発見をしました。それは、日に日に自分の作業が楽になっていくということです。

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 右の写真は昨日放課後のものです。もともと靴をそろえることに気を使っていた学年ですが、昨日は私が行った段階ですでにこうなっていました。何も言わずわずか4日間やっただけだけなのに、自然にこうなりました。一人ひとりが気を使っているのです。そして誰かが仕上げの靴揃えをしています。ほかの学年もこれほど見事ではありませんが、日に日によくなっています。

 私は靴がとても気になる性質です。そして年がら年中叱っていましたが、実はこんなに簡単なことだったのです。