カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

「歯の衛生週間にひとこと」~風邪と違って放っておいても治らない

 先週の木曜日、夜、食事を終えたら犬歯の裏がガリガリで、爪で触れたとたんガサッと穴が空いてしまいました。昔治療して埋めた部分が抜け落ちたのです。金曜日に歯医者さんへ行って治療が始まりましたが、お金も時間もけっこうかかりそうです。

 私の両親は昭和初年前後の生まれで、歯磨きなどしなくても虫歯にならない幼少期を送りました。ですから、私の子ども時代は家族に歯磨き習慣がなく、しかし生活全体は著しく向上して甘いものが氾濫しましたから、あっという間に全員が虫歯だらけになってしまい、大変苦労しました。

 したがって、同じ轍は踏むまいと、私たちの世代は自分の子たちの口腔指導にはかなり熱心で、たとえば私も自分の息子の歯列矯正にはすでに60万円以上投入しています。結構な金額ですが、私のメチャクチャな歯も60万円以上はかかっているのですから、これで息子の歯みがきが容易になり、健康な歯のまま年をとることができれば安いものです。

 さて、学級で歯の指導をしようというとき、まず大切なのは虫歯が他の病気とは決定的に異なるという意識を徹底させることです。
「風邪や腹痛なら、様子を見ていたら自然に治ったとか、しばらく我慢していたら治ったということもあるよね。でも放っておいたら虫歯が治ったなんてこと、絶対にないでしょ」
ということです。そう言って虫歯と徹底的に戦うことを宣言します。

 もちろん予防は大切ですが(予防については別の機会にお話します)、虫歯になったら一刻も早く治療に行くことが大切です。学校で発見されるC1レベルの虫歯なら、1回の治療で終わることも少なくありません。ですから「1回で済むと思うよ」と言って、できるだけ早く病院に行かせるのが教員として重要な仕事になります。

 検診があって治療を勧める紙が出たら、その子の名前を後ろの黒板に書き並べます。そして歯医者さんに行く日が決まったら、名前のうしろに日付を書かせるのです。
 病院に行って次の受診日が決まったらその都度書き直し、終了したら花丸でもあげて、消します。人権が問題になるという恐れはありません(と、思います)。懲罰で名前を書いているのではなく、声をかけることを忘れないための備忘録なのですから。
 そんなふうにして私はクラスの治療率を100%にします。
(ン? そんな管理的なことをせず、本人の自覚ができるまでじっくり待てって? ・・・そんなことしてたら自覚できたころには口腔内、虫歯だらけです)