一人一公開授業をやめて、「一人一休み」はどうか、と考えたことがあります。丸一日自分のクラスへ行かず、他の先生の仕事を見ているだけという企画です。そうすればいつもは見えない隣の先生のすてきな授業やすばらしい活動を、いくらでも盗めるからです。
たとえば清掃の時間、まず子どもたちに全部の机を後ろに運ばせますよね? それからどうします?
ほうきの係の子はゴミをどんどん机の方へ掃きこんで行きますが、そのあと雑巾がけをしていざ机を前の方へ移すとなると、掃きこんだゴミが机の足に引っかかってどんどん元の場所に戻されてしまうのです。そこでしつこく「机をもっと持ち上げて!」とか叫ぶのですが、重い机をいちいち高く掲げるなんてそう簡単にでることではありません。私はそれでずっと困っていました。ところが・・・ある先生の教室を見ていたら、そんなのとんでもなく簡単なことだと知りました。
机を後ろに運んだ時点で、掃除を、机の最前列(教室の中央部)から前の方、つまり黒板の方へやっていけばいいだけのことなのです。ゴミも黒板の前へ集め、いったん回収してしまう。雑巾がけも運んだ机の前から黒板の方へ順番にやっていけばいいのです。これだと、教室の前半分がきれいになって机を戻すとき、引きずるゴミの量は格段に減ります。こんな簡単なこと、見ればいいだけのことでした。
子どもを教室に残したままで「一人一休み」はなかなか実現しそうにありませんが、どうです? 掃除のときぐらい、あちこちの先生の教室、ちょっと覗いてみたらいかがでしょう?