卒業生やその保護者には、たくさんの人が祝意を表すでしょうから、私は3人の担任の先生方に言いたいと思います。
ご卒業おめでとうございます。
あれほど難しい子たちを、よくここまでお育てになりました。
大変なとき、苦しいときは山ほどあったでしょうが、今は子どもたちが旅立つときです。
先生方のご努力の10分の1も世間の人は知りません。生徒の一つひとつの行事、一つひとつの作品の背後に、どれほどの深謀遠慮があり、どれほどの時間とエネルギーが注ぎ込まれていたか、学校の外にいる人には分からないのです。ですから私たちから言うしかありません。
ご卒業おめでとうございます。
私もしばしば本当にいやになり、保護者もろとも子どもを投げ出したいと思ったことがありました。しかしいつも心の中にあったのは、自分が投げ出したら、あとを誰が引き受けてくれるのかという問題です。
スティーブン・キングは小説『スタンド・バイ・ミー』の中でこんなふうに言っています。
だけど子どもってのは、
誰かが見守っててやらないと、なんでも失ってしまうもんだし、
おまえの両親が無関心過ぎて見守っててやれないってのなら、
たぶんおれがそうすべきなんだろうな
1年間、本当にご苦労様でした。
ご卒業おめでとうございます。