納得できない

発掘!あるある大事典2」で納豆に関するデータの捏造があったとか、視聴率のためなら何でもやるマスメディアの体質が暴露された形になりました。  昔からUFOだとか巨大怪獣だとか、ヒマラヤ山中の原人だのと、あることないこといかにもそれらしく放送してきた世界ですから、捏造にも鈍感になっていたのかもしれません。もしかしたらニュース番組だって半分は捏造かもしれない・・・とそのくらいの気持ちで見ておいた方がいいでしょう。  先週の金曜日、夜9時のNHKニュースで教育再生会議の第一回報告の骨子が固まったという内容が扱われました。その中で、庶務を務める山谷えり子首相補佐官が授業時数の10%増加に関わって、 「昔は6000時間の学習をしていたのが、今は3800時間に減らされているのです。それを10%増やそうと言うのですから大したことはありません。それでもイギリスやアメリカにはまだ及びません」 というようなことを言っていて、私は非常にショックを受けました。  アメリカといえば7月から8月まで2ヶ月に及ぶ長期休業があること、職員は午後4時には学校を後にできるので主婦の兼業に非常に向いていること、断片的とはいえ、そうした知識がありましたから、どうやって日本を上回る授業時数を生み出しているのか、本当に謎なのです。授業日数だって180日程度のはずです。  いやそれ以前に、「昔は6000時間、今は3800時間」だって分かりません。最大を考えて1日6時間で200日でも1200時間にしかなりません。中学校三年間の時間だ、ということならほぼ3800時間に近づきますが、そうなると昔は6000時間がわからなくなります。  結局分からないまま、時数が37%も減らされたという印象だけが残ります(実際には6千が3千・・・と言われた時点で印象としては半減です)。  さらにかぶせて、「10%増やしてもイギリスやアメリカに追いつかない」と言われれば、権威あるNHKの9時のニュースの中での発言ですので、国民を恐怖させるに十分でしょう。しかも情報の出所が政府中枢の山谷えり子ですから・・・。  しかしこの発言、結論から言えばウソだらけなのです。教育再生会議に出された資料を参考にすると、昭和36年の指導要領と比べても現行指導要領の時数は13%減っただけです(1085時間→945時間)。さらにアメリカの授業時数については「データなし」です(州ごとで異なるので数値が出せなかったのでしょう)。アメリカと比べることなんかできません。  そして山谷さんの発言の最大のウソは、学力で日本よりかなり格下のアメリカ・イギリスについて語りながら、学力王国の韓国やフィンランドについて語らないこと。  ちなみに小学生の授業時間は、自然時間(学校の単位時間ではない普通の1時間=60分)で日本が776時間なのに対して韓国は703時間、フィンランドに至っては654時間しかありません。  韓国には受験地獄があり、フィンランドにはとんでもなく巨大な教育予算がありますから、比べたくないのでしょうね。  数字の元となった「OECD『図表で見る教育』」には他に、日本は「教員一人当たりの児童・生徒数」が世界第二位(一位は韓国)とか、GDPに対する公的教育支出は29カ国中28位(最下位は韓国。ただし韓国は私費支出が日本の3倍でダントツの世界第一位)とかがありますが、こうしたことも一切口にしません(再生会議にも出されません)。  国民の将来を考えれば、納豆のデータ捏造どころではありません。まったく納豆くできないことです。あとに糸をひきそうです。