カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

「いよいよ懇談会ですが・・・」~プロとして懇談する要点

 4月の末に家庭訪問を行って12月に保護者懇談会を行うという現在のシステムが非常に気に入っています。

 年度の最初の一ヶ月あまりで観察した生徒の様子から、この子はこんなふうに育てましょうとか本年度はこれを目標にしましょうとか、そういった計画を立てて家庭訪問で相談し、12月の懇談会で中間報告をする。
「計画ではこんなふうでしたが、この部分はこれだけでき、あの部分はあれしかできませんでした。ですから3学期はココとココをこんなふうにして学年の仕上げとしましょう」
 そんなふうに話すのです。

 大切なのは「3学期はココとココをこんなふうに」という部分です。具体策を示さずに「◯◯くんは、歴史が苦手ですね」とか「学校では時間が守れなくて困っています」などと訴えても、親も困惑するだけです。普通の親は教育のプロではありませんから、そんなことを言われても家では怒鳴るくらいしか方策が見つからないのです。その結果、親子関係が悪くなるだけで、なんの収穫もないということになります。中には織田裕二みたいに叫びだす人だっているかもしれません。
「事件は家庭で起きているんじゃない。現場で起きているんだ!」

 子どもの難しい点について話すなら、まずやんわりとその点を挙げ、「学校ではこうした方針でこのようにします」と担任としての対応を示し、続いて「ですからご家庭でもこんなふうに工夫してください」とやってほしい具体的な方策を語らなくてはいけません。それがプロというものです。

 例えばこんなふうです。
「歴史については学校の方でも注意深く見て行きます。3学期はまとめの時期なので問題を多くやらせるようにします。◯◯くんについては特に注意してみていきましょう。
 ◯◯くんだけたくさんの宿題を出すというわけには行きませんから、おうちの方でも何か適切な問題集を探してやらせるようにしてください。
 特にこんな問題集がよいというものがあるわけではありません。要点的な問題を繰り返しやることが必要ですから、なるべく薄いものを2〜3冊用意してやるといいかもしれません。薄い問題集だとどうしても基本的な問題が中心で、重箱の隅をつつくような厄介なものは載せられませんから、彼には都合がよいのです。そんなふうにしてください」

 あ・・・ひとつ大事なことを言い忘れました。
 3年生の先生方、いよいよ正念場です。生徒たちが良い進路選択ができますよう、精一杯頑張ってください。