カイト・カフェ

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「フィンランドの教育」~国家にとって不都合なことは報道されない

 教育改革はやるたびに学校が悪くなると感じるのは私だけでしょうか?
 日本の教育は世界でもっとも金をかけず(OECD調査で韓国とともに最低)、世界で最も家庭学習をしない(同調査最低)を世界最高水準(IEA調査世界第4位)に上げることができるほど優秀なものです。それを下手にいじって潰すことはないと思うのですが・・・。

 その日本に対して常に持ち上げられるのが、OECD調査で一位になったフィンランドです。それは教員が大学院卒に限られているとか、学校の自由裁量が大きいとか、あるいは国語教育が充実しているからだとか言われていますが、日本とって不都合なことはほとんど報道されません。それは例えば、次のようなことです。

  1. フィンランドは生徒数50人以下の学校が40%にものぼり、生徒数500人以上の学校はわずか3%

  2. その小さな学校に、校長、教員、専門科目教員の他に、看護士、学校心理学士、特殊教員(授業中の生徒を観察し、教員に助言したり、自分が別個に授業についていけない生徒やグループの面倒をみる)、学校アシスタント(生徒数が大きい学級にアシスタントを入れる)など、大量の職員を入れている

  3. そのために必要な教育予算は実にGDPの5.7%。日本のそれ(3.5%)の1.6倍です。その差2.2%は日本のGDPで計算すると約11兆円。日本の国家予算およそ80兆円から考えると、どれほど教育に金をかけているかが知れます

  4. フィンランドには就学猶予があり、小学校の学習に耐えられない子どもは1年間就学学校に通って、きちんと授業を受けられるようになってから小学校に入学する。またそのことを親も喜んで受け入れている

 これだけの差を横において、大学院卒だ、自由裁量だといっても始まらないでしょう。教員を叩けば何とかなるという発想、もういい加減いして欲しいものです。