金曜日に「義務教頭マネジメント研修」というのを受講してきました。一日留守にしましたが、ありがとうございました。
学んできた学校マネジメントというのは、要するに企業経営(企業マネジメント)の手法のうち、学校に生かせるものを学校に生かそうというもので、その中心は具体的目標(できれば数値目標)の設定と評価の問題です。
そうなると「明るくはきはきした子ども」「よく考え、がんばる子ども」などという学校目標はぜんぜんダメで、
�@どういう姿になったら「明るくはきはきした子ども」ができあがったことになるのかそれを明らかにし(目標づくり)、
�Aそれにどの程度近づいたか常にチェックし、
�B方法を修正し、
�C再チャレンジしていくか
というのが学校マネジメントの骨子なのです。
ただ、日本の学校は学力から(それにもいろいろあるけど)心の教育までありとあらゆる「教育」が求められていますから、具体的目標は10個ぐらい上げても、まったく追いつきません。具体的にすればするほど、教育が貧しくなるような気がするのです。
そうした問題は文科省でも同じで、したがって文科省レベルの目標も「生きる力をつける」とか「基礎・基本を大切にする」とかいったあいまいなものになってしまいます。
「生きる力」は、
「自分で課題を見つけ、自ら学び、自ら考える、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する能力」
「自らを律しつつ、他人と協調し、他人を思いやる心や感動する心など豊かな人間性」
「たくましく生きる健康と体力」
と定義されていますが、いったい何がどのレベルまでできるようになったら、生きる力がついたと判定されるのか、それについてはまったく未知数です。
ちなみに、基礎基本については国会の場で「学力が低下したから基礎基本をしっかりやるということだが、具体的には国際比較において全科目で1位を目差すのか」という鋭い質問が出て、文科省をたじたじさせた人がいたそうですが、マネジメントの考え方からすると、当然出てこなくてはならない質問です。
本気で学校マネジメントに取り組むとしたら、まず国レベルでやってもらわないと、われわれ独自では責任の取れない問題だなあと、それが私の感想です。