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「誰が子どもを殺しているのか」~数だけで言えば、子どものからむ家庭内殺人の方が圧倒的に多い

 ここのところ、子が親を殺す事件が頻発しています。昨年は一年間で17件、今年もすでに5~6件は起きています。それと同時に、親が子を殺す事件も後を絶ちません。そのほとんどは、児童虐待と子の家庭内暴力がらみのものです。

 昨年末にたて続けに幼児誘拐殺人事件が起こり、社会は不審者対策一辺倒になりましたが、単純に数だけで言えば、子どものからむ家庭内殺人の方が圧倒的に多いのです。ただ、誘拐殺人と違い、話題にしても警察や学校にできることがほとんどないので、マスコミも十分にあつかいません(友人に30万円で母親殺しを依頼したという「稚内母親殺害事件」よりも「徳山高専女子学生殺害事件」の方が扱いが大きいと感じるのは、私の被害妄想でしょうか?)

 それにしても、これだけ不審者対策をしながら、家庭内での殺人の被害者や加害者になることについて、私たちがまったく手を打っていないのはあまりにも片手落ちです。実際に手を打つかどうかは別にしても、この問題に対する何らかの見識は持っていてしかるべきでしょう。

 評論家の尾木直樹は、父親が子どもに接近しすぎて、子が圧迫されていると言います。彼によると「調査では、父親の4割から5割あるいは7割が子どもの勉強をみている」のだそうですが、そんな馬鹿なことはないと私は思います。第一「4割」と「7割」では意味がまったく異なります。
 私個人は、これを耐性の問題だと考えています。要するに親も子も、あまりにも我慢できなくなった。親は子育ての面倒に我慢できなくなった、子は親の不条理に我慢ができない、そういうことだと思うのですがいかがでしょう。