カイト・カフェ

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「冥王星が冥府に」~太陽系の惑星がひとつ減るそうです

 惑星の数が12個に増えるという話があったかと思うと、今度は冥王星を格下げして8個に減らすという方向が出て、本日、それで決定しそうです。そこで薀蓄。

 毎晩同じ時刻に空を見上げると、全天の星はほぼ同じ位置にあり、1度ずつずれていることはよく知られています。したがって1年たつと、全ての星は同じ場所に戻ってきます。
 しかしその法則に合わない星、図に表すとフラフラしている星が(肉眼で)五つあり、これらは惑う星、ということで「惑星」と名づけられました。
 東洋の天文学、陰陽五行(おんみょうごぎょう)説では全ての物質は「木火土金水(もっかどこんすい)」の五つの要素(五行)によって成り立っていますから、この五つのはそれぞれ木星・火星・土星などと呼ばれ、法則に従わないあと二つの存在(太陽と月=日・月)をあわせて七曜をつくりました。ではヨーロッパではどうだったのでしょう?

 もちろん五つの惑う星というのは西洋でも同じで、惑星をあらわすPLANETという言葉はギリシャ語の「放浪者」に由来します。それらにはギリシャ神話の神の名が付けられました(水星=マーキュリー、金星=ビーナス、火星=マーズ、木星=ジュピター、土星=サターン)。

 その後、土星の外に新しい惑星が発見されるようになってから、話が厄介になります。発見者は主としてヨーロッパ人ですから迷わずウラヌス、ネプチューン(ポセイドン)、プルートといった神々の名をつけるのですが、陰陽五行の言葉を使いきった東洋では名のつけようがありません。
 そこでギリシャ神話の考え方を基礎に、ウラヌスは天の神様だから「天王星」、ネプチューンは海の神様だから「海王星」、そしてプルートは冥府(冥土=死の国)の神だから「冥王星」としたのです。今回、冥王星は冥府(死の国)に赴くことになりました。

 昔、セーラームーンというアニメが大ヒットしたとき、主人公はマーキュリー=水野亜美、マーズ=火野レイ、ジュピター=木野まこと、とそれぞれ五行説に則っていました。実は上に書いたことも「セーラームーン」を見ながら調べたことです。アニメもその気になって取り組めば様々な発見があります。

 ところで「バカボン」がインドの偉大な神様だということ、知ってます? バカボンは大変な英雄でその英雄譚「バカボン経=バカバット・ギーター」は現代でも最もよく読まれているものらしいですよ。