「教員が足りなくなる」

 今から30年ほど前の高度成長の後期、都会では極端な人口集中のために次々と学校がつくられ、大量の教員が採用されるということがありました。当然深刻な教員不足に陥り、「とにかく受験だけでもしてくれ」ということで本県のS大あたりにもさかんに声をかけられた時代です。そのころの採用者が、今、定年を迎えています。

 大量採用者が退職するわけですから、首都圏を始め、関西・中京圏の大都市では再び深刻な教員不足が始まっています。ただし、前回と異なるのは定年まで働いた人々、つまり給与表で最上位にある人たちの代わりを探すわけですから、必ずしも賃金の安い新卒を当てる必要はないということです。そこそこに高給な中途採用者をいくらでも採れるということで、そこで考えられるのが他県からの引き抜きです。有能で評判の高い先生を高給で一本釣りするのです。

 本県の場合、すでに県外出身の教員がかなりの数になっています。この人たちが最初のターゲットです。それから本県にこだわらない先生方が狙われます。もともと本県と都会とでは労働条件が違い、勤務時間も給与も圧倒的に都会有利ですが、そこにさらにプレミアがつくのですからたいへんなことです。そういうことが実際に始まれば、地方はひとたまりもありません。都市と地方の格差拡大といったことが話題になっていますが、教員の質にも格差が広がるのかもしれないのです。

 退職金の保障、給与の3割アップ、労働時間の2割減、土日の休養保障、繁華街・テーマパーク等近隣に多数、ただし定年まで首都圏で暮らすこと。

 どうです? 一考の価値はありませんか?