(無題)

 巡回演劇の「西遊記」面白かったですね。

 そこで問題。

 次の五つのうち、実在のもの・ひと・ことはどれでしょう?

 �@三蔵法師    �A火焔山    �B天竺    �C流砂河

 答え。全部。

 「西遊記」に出てくる三蔵法師というの玄奘(げんじょう:602-664)のこと。三蔵法師というのは「三種類の仏典(経蔵・論蔵・律蔵)のすべてに長けた身分の高いお坊さん」という意味で、玄奘以外にもたくさんの人がそう呼ばれています。玄奘は唐の高僧でありながら密出国してインド(天竺)にわたり、仏教聖典仏舎利をたくさん持ち帰った人で、彼が生涯に訳した仏典1235巻はギネス並の記録なのだそうです。

 火焔山はトルファン盆地の北に連なる長さ100kmに及ぶ屏風状の山脈。トルファン盆地の大部分はマイナス標高で、トルファン市の郊外のアイディン湖の水面は海抜−145m。中国で一番低い場所となっています。言わば地下の穴倉のような場所に人々が住んでいるわけで、夏の気温は40度前後にまで昇り、灼熱の地として有名です。暑さため立ち上る水蒸気に赤土の山脈がゆらゆら揺れ、そのために「火焔山」の名がついたと思われます。

 流砂河。普通、流砂は地震などの時にも起こる土壌の液状化現象を言いますが、中国では大砂漠そのもののことを言うそうです。しかし「西遊記」に出てくる流砂河は、砂漠の崩落現象のことで、玄奘が弟子に口述筆記させた旅行記大唐西域記」では、玄奘が旅の途中、砂漠に出たとたんに流砂河に飲まれ、大切な飲料水をすべて失ったという記述が残っているそうです。「西遊記」が日本語に訳された時、何かの勘違いでこれを河の名前と勘違いした人がいたようで、原作では流砂河の妖怪としかないのに、カッパの姿にさせられてしまいました。カッパは日本固有の妖怪ですので中国の古典に出てくるはずがないのです。

 孫悟空=「空を悟った猿」  猪悟能八戒=「八つの戒めに能く悟った猪(イノシシ)」と並べると、沙悟浄=「浄いことを悟った沙漠」ということで、やっぱり何のことか分かりません。イメージが沸かなかったのも無理ありませんね。