「引継ぎの準備」

 3学期となり、私の仕事のいくつかも最終局面に近づいています。K地区連絡会(K地区同学年会や講演会を主催)も今夜の校長・副校長会を最後に、一応の終了です。

 同じようにそろそろ終了し、引継ぎの準備をしなければならないものがいくつかあるのですが、ここに来て気づくことは、この時期(ひとつの仕事の終わりの方)の資料が残っていない、整理されていない、そういうことが多いということです。

 仕事を始めた当初は張り切ってやっていたのがやがて息が切れ、最後は整理しきらないうちに次の人(この場合は私)に渡さなければならなくなった、という感じがありありとうかがえます。「年度末は忙しいからなあ」と同情したいところですが、年度末忙しいのは誰しも同じで、忙しいからこそ前年の資料がほしいのにそれがない! まったく困ったことです。

 私がはじめて、唸るほどすばらしい引継ぎ書類を見たのは、小学校の教員になって最初の年です。

 児童会の引継ぎを受けたのですが、その30歳前後の若い先生が、一度渡しかけたファイルを慌てて引っ込め「あ、インデックスをつけ忘れた。あとでもう一度持ってきます」そう言って持ちかえり、しばらくしてから右端にずらっとインデックスの並んだ書類を渡してくれたのです。他人に渡す時につけるインデックスというものは100%他人のためのものです。私はそのその書類に、渡してくれた先生の大変な誠実さと、責任感を感じました。

 引継ぎ資料はひとつの顔です。自分の子を婿に出したり嫁に出したりするように、自分そのものが1セットに包まれて他人の手に渡ってしまいます。書類を見るとその人の人柄が見えてしまうのです。

 そろそろ作業の最終段階。移動をお考えの先生はもちろん、自分は残るからいいやと思っておられる先生も校内サプライズ人事に備えて、書類の整理をしておきましょう。来年、自分の知らないところで恨まれるなんてイヤでしょ?

*ついでに、

「人事は粛々と・・・・」とか言って一般に秘密裏に行われるものですが、来年を見越し、「あの人が出ていったらあの仕事は自分に来るかもしれない」と多少想像しながら日々を送っておくといざという時に困りません。書類に残らないこともたくさんありますから、覚えておくしかないのです。もちろん「出るの?」なんて本人に聞いてはいけません。しかし、見ておかないとソンなことはたくさんあります。