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「子どもの安全と親の安心」~虐待で殺される子どもは、不審者に殺される子の10倍以上いる

 BSEの問題では、アメリカがいくら科学的安全性を説明しても日本がガンとして受け付けない・・・そういう方向があります。これについて校長先生から「日本人の求めているのは安全だけではなく安心なのだ」というお話を伺ったことがあります。さて、

 昨日はC市PTA連合会主催「冬休み生活指導連絡協議会」という会がありました。冬休みのきまりを確認し、代表の2校の取り組みを聞き、警察や消防署、育成会といった方々のお話を聞くというのが趣旨です。今年は本校が市P連の事務局ですので、昨日まで三役会だの理事会だの活動を経て、ようやくこぎつけた会でした。

 ところが昨日の朝になって突然、その会とまったく同時刻に「子どもの安全を守る緊急安全対策会議」を開くからPTA役員に連絡せよ、という話が舞い込みました。しかも会場まで一緒です。別な言い方をすると「冬休み生活指導連絡協議会」が乗っ取られてしまったのです。
 しかたないので資料冊子を必死に作りなおし、必要な連絡を各所に送ってようやく時間に間に合わせたのですが、この「子どもの安全を守る緊急安全対策会議」、非常に重い会でした。

 まず会の趣旨が説明され、続いて「各校の取り組みを」といったかと思うと一校一校の校長先生を名指しで指名して指導の内容を説明させ、あるいは「地域の取り組みは?」ということでPTA会長たちがいきなり話をさせられる、という凄い会になってしまったのです。
 私は幸いにも受付にいて「副校長先生方の取り組みは?」という質問が出ないかとハラハラしていただけ済みましたが、何の準備もなかった校長先生方やPTA会長は本当にお気の毒です(ただし、どなたもきちんと話をされ、さすがではありましたが)。
 最後に地域ごとのかたまりで話し合いが持たれ、私たちの地区では金曜日の夜に話し合いが持たれることにきまりました。

 さて、一年間に子どもが被害者となる交通死亡事故はおよそ1200件です。うち歩行者として事故に巻き込まれて死亡するケースが120人程度。また児童虐待によって殺される子どもの数は、およそ60人といわれています。通り魔的な殺人事件の被害者となって殺される子どもの数がどれくらいかは分かりませんが、毎月1人ずつ、ということはないでしょう。
 そう考えていくと、自動車の往来の少ない道を選んで設定してきた通学路を見なおし、遠回りでもいいから人通りの多い道に変更しよう(東京都)といった取り組みが果たして妥当なものか首を傾げたくなります。「安全だけでなく安心」というより、「安全よりも安心」ということになりかねないからです。

 確かに子どもを通り魔から守ることは最優先課題です。しかしよくよく注意していかないともっと可能性の高い問題から目を逸らされることにもなりかねません。