カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

「T学園に行ってきました」~東京の私立学校の様子

 二日間ありがとうございました。研修旅行でT学園小学部を見てきました。

 とにかくとんでもなくすばらしい設備ですが、まず驚かされるのは、何となく東南アジアのホテル風に見える巨大な校舎です。3階建てで、上から見るとめがねのような形になっており、その左右にそれぞれ低学年・高学年が入っています。各教室はその目がね縁のところに、部屋の四隅の一角を出すように並んでいます。つまり教室の2辺から外に自由に出られるようになっているのです。

 それぞれの部屋には大型テレビと上下に動く可動黒板(その裏が収納庫)、ビアノ1台が標準装備です。LANポートが完備されていて、学年に40台あるノートパソコンを運び入れ、つなぐこともできます。
 部屋の一角にはたたみ2枚ほどの先生のスペースがあり、そこにパソコンやら何やら一式を持ち込んでおり、職員室というものがありません。また、1学年4クラスですが、2クラスに一つの割合で(ほぼ教室大の)学習室が配置されミニ図書館のようになっています。本の量は1学年分が本校と一緒くらいです。普通の図書館はありません。

 体育館もありませんので、全校朝会や体育はすべて芝生の庭で行います。雨が降ると中止です。入学式や卒業式はすぐ隣りにある大学の講堂を使えばいいのだから問題ない、といっていました。言われてみると本校の体育館も夏場は空いていることが多く、寒ささえなければなくてもいいのかなあ、というのが目からウロコでした。
 それだけすばらしい施設の中でどのような授業が行われているかというと・・・あきれたことに、これが私たちの県では30年以上も前の授業、つまり教師主導、1問1答式の一斉授業なのです。算数もプリントを配り「さあやりなさい」。社会の歴史も中学校の先生並に、担任がとうとうとおしゃべりをしています。まったく面白くありません。

 1クラス35名ですから、6年生などかなりぎゅうぎゅう詰めの感じがあります。しかしみんなおとなしく授業を受けています。何しろ初年度納入金225万円、毎年の授業料100万円を12年間に渡って出せる家庭のお子様ばかりなのです。並の子どもとは違います。
 校長先生はさかんに、「払っていただいた対価分はお返ししなければならない」とおっしゃっていましたが、これが100万円なら本校の教育はいくらに見積もればいいのでしょう? (300万円はかたいな)

 私は、この施設にわが県の教員を入れ、わが県の教育を行ったらとんでもなくすばらしいことができるのではないかと夢想しました。