カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

「陰で誉める・陰で叱る」~教師がすべきこと、絶対にやってはいけないこと

(最近の話ですが)
「そのヘア・スタイル、素敵ですね」
「ありがとうございます・・・・・・・・でも、この髪型にしたの、先週なんですけど」
「・・・・いや、その、今日の寝癖の感じが・・・素敵・・・で、」

(昨年の話)
 某旅行会社の臼井さん(黒板を見ながら)
「副校長先生、字、お上手ですねェ」
私「・・・・・・」
(そばにいた中居恵美先生を見て)
臼井さん「ね、そうですよね、そうですよね」
中居恵美先生「(薄く微笑みながら、知らんフリ、知らんフリ)・・・・・・」

 歌手の都はるみに「歌、うまいですね」と言って怒られた人がいます。確かに、素人がプロに向かってその分野のことで「うまいですね」はないでしょう。
 誉めるというのは難しいことです。

 誉めることは教員の大切な仕事ですから、私たちは実によく子どものことを良く誉めます。傍からみると歯の浮くような誉め言葉でも、繰り返しやっていれば必ず効きます。必ず効いてうまく行くから、また誉めることができます。物事がうまく回転しているときはそんなものです。

 しかし高学年などでは、そうではなく、人間関係がうまく行かず、本気で誉めても『またオベンチャラ言ってるワ』みたいなことになる場合だって少なくありません。特に生徒指導的な問題で指導中の子どもなんかは、非常に難しくなります。ところがある日、そういう子をうまく持ち上げる方法を私は発見しました。それは陰で誉めるということです。

 たとえば本人のいないところでその子の友だちと話している最中に「あの子はね、ホントはすごくいい奴なんだ」とか、本来は直接本人に言うべきことも「この間あの子、こんなことをしていて本当に感心したよ」とか言っておく、するとその話は確実に本人の耳に届くのです。時間のかかることもありますが、その子が私のの悪口を言ったときなどに「だけど先生、キミのことこんなふうに言ってたよ」見たいな形で情報が出て行くのです。すると、その誉め言葉は実に効果的に効きます。何しろ何の関係もないときに陰で言われたことですから、実に本物くさいのです。

 もちろん逆もあります。陰で子どもにささやいた悪口はほとんど瞬間的に本人の耳に入ります。私は児童会の顧問をしていたとき、仕事に来ない児童会長のことを「アイツはダメだ、最初から児童会長のウツワじゃない」みたいな言い方をしたところ、翌日の日記に「先生がボクのことをどう思っているか、よく分かりました」などと書かれてしまいました。言ったその日の日記に書いてあったのです(陰デ 聞イテ イタノカ?)。

 まさに「悪事千里を走る」というヤツですね。