カイト・カフェ

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「台風と選挙」~改めて子どもたちに注目させてください

 台風14号(ナービー:韓国語で「蝶」)が近づいています。
 時速15km~20kmと自転車並のスピードですが、ジワジワと日本列島に近づいてきます。速度が遅いのは、台風の左(西)側と正面に高気圧があるからです。高気圧は北半球では右巻きの噴出す風ですから、台風を押し戻す働きをしています(反対に台風の右側に高気圧があるとスピードは上がります)。もうしばらく高気圧とせめぎあって、九州北部にたどり着くと、そこには上空一万メートル付近を高速のジェット気流(偏西風)が流れていますので、台風は頭をつままれる形で、あっという間に東に運んでいってしまいます。

 台風が強力な低気圧だとか、貿易風に流されたあと偏西風に乗るのだとかいったことは知らなくていいことです。しかし7月と9月に多く日本に来るとか、14号というのが今年生まれた14番目の台風だからということ、ブーメランのように右カーブを描きながらやがて消えていくのだということは、生活にかかわることです。台風が近づいている今、子どもに語ってあげる価値のあることでしょう。

 選挙も同様です。衆議院の役割とか選挙の方法とかは6年生の社会科で学びます。しかし街のあちこちに8マスのベニヤ板の看板をつくり、みんなでそこにポースターを張るのだとか、宣伝カーを使って「お願いします」と叫びながら回るのだとか、あるいは駅前など人の多く集まるところで演説をするのだとかいったことは、教科書には書かれていません。そうしたことが今、一言子どもの意識に働きかけるだけで、ストンと記憶に定着してしまいます。

 台風はそう何度も来るものではありません。総選挙はさらに稀です。それぞれを教科で学ぶ時期を待つのではなく、今、教えられることは教えておきたいものです。