台風はあっけなく去ってしまいました。今回の台風は「マーワー」という名前で、マレーシア語で「バラ」という意味だそうです。
さて、「なぜ台風は左巻きなのだろう?」。子どもに聞かれて答えられず、何年も困っていたのですがさすがインターネット時代、ネット上の質問コーナーに投稿したら、見事に返事が返ってきました。
- 台風というのは迷走する低気圧です。周囲の空気は風となって一点に向かって流れ込み、上昇気流となって上空へ逃げます。(図1)
- これを(地表面の風の動きとして)上空から見ると、図2のようになりますが、このままだと渦にはなりません。
- 地球上には「コリオリの力」と呼ばれる見せかけの力があり、北半球では全てのものを右に、南半球では左にずらします。したがって国立博物館やディズニー・シー「フォートレス・エクスプロレーション」にある「フーコーの振り子」は、右に動いていますし、「ゴルゴ13」も南半球で仕事をするときは狙撃銃を調整しなおすそうです(本人から聞きましたから間違いありません)。
- どうしてコリオリの力が働くのかは説明が難しいので、分かったつもりで先に進みます。
- 「コリオリの力」を考えると、図2は図3のように書き改められなければなりません。
- そうやってみると、なるほど風が右カーブしながら一点に集まると、左巻きの渦ができるのがわかります。
- いうまでもなく、南半球の低気圧は右巻きです。鳴門の渦は左巻きですが、南半球の渦は右巻きになります。この理屈でいくと、家に帰ってお風呂の栓を抜くと左巻きの渦ができそうな気がしますが、実はなかなかうまく行きません。風呂の形状や排水路の方向によって逆周りになったりしてしまうのです。巨大なボール状の風呂をつくってその中央に排水口を開ければきっとうまく行くと思います。金持ちになったらやってみましょう。