カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

「素直でない子には、先はない」~お茶を買える女の子になりなさい

 街中をドライブ中のカップル、どうやらケンかをしたらしく、助手席の女の子が憤然とドアを開けて車を降り、走り去ってしまいます。男性は困ってしばらくボンヤリとしていますが、ほどなく女の子は二本のペットボトルを手にして戻ってきます。
「お茶、買ってきた・・・」
 そして車は何事もなかったように、また走り出す。
 宮崎駿ジブリがつくったと思われる、数年前のテレビコマーシャルの一場面です(アニメ)。
 私はこれが好きで、自分の娘にはいつも「お茶を買える女の子になりなさい」と言ってきました。一緒に見ていたコマーシャルなので、それで通じるのです。

 怒りに任せて車を降りてからお茶を買って戻るまでの間に、女の子の心の中に起こった事は何だろう。
 彼女はまず、一瞬の内に「ケンカの発端となった出来事」と「彼との仲」を天秤にかけ、その重さを量ります。もちろん「彼との仲」の方が重いと分かります。続いてまた一瞬の間に頭と心を切り替え、怒りを鎮めます。ここがすごいところです。次に彼女は仲直りの方法を思案します。本当は怒りに任せて車を降りたのですが、別の理由で降りたことに転換してごまかせばいいのだと気づきます。そして自動販売機に手を伸ばします。

 以前、このブログに「子どもってのは、誰かが見守っててやらないと、なんでも失ってしまうもんだ」という『スタンド・バイ・ミー』の台詞を載せましたが、子どもならずとも怒りに任せて大切なものを失ってしまうのはよくあることです。しかしそれはまったく損な話でもあります。このコマーシャルの女の子は、本当に得な性格をしているとも言えます。

 さて、先日あるクラスの女の子を注意したら、プイッと膨れてそれきり相手にしてもらえない、ということがありました。こちらは大人ですから別に怒りも感じませんでしたが、何とも損な子どもだなあと情けなくなりました。大人の苦言や注意・指導を素直に受け取れない子どもは、どんなに頭がよくても伸びてはいかないのです。勉強だって教師のことを「このアホ」と思いながら成績だけが伸びていくなんてことはありえません。
「素直でない子には、先はない」。それは鉄の掟です。

 では、どうやったら素直な子どもを育てられるか? 今日は時間とアイデアがないので、明日までの宿題にしておきます。
 そろそろ梅雨入り。今日も一日、こんな天気のままでしょうか。