カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

「大村はまさん(98)が亡くなりました」~引用を少々

 先日,国語教育の重鎮・大村はまさんが亡くなりました。98歳だったそうです。経歴や研究授業の持ち方,実際の指導等いろいろ勉強になるので、また調べておいてください。
 今日はその著書「教えるということ」から、少しだけ引用するにとどめます。

 私は卒業式の時、若いときは別れるのが悲しくて泣きましたが、今はこの人たちの生きていく世界が目に見えて、かわいそうで泣けてしまいまいます。「どんな苦しみの中を越えて、この人たちは生きていかなければならないか。それにしては、いかにも力をつけなさすぎた。」
と思うんです。

 一字一字見ている子どもと、ひとまとまりの言葉をちゃんととらえるように成長してきた子ども、それはいつごろからかご存じですか。いつごろといえば、小学校に入った初めごろ、すでにそうなってくる子どもが、今、たくさんいるんですよ。ですけれども、3年生ぐらいでは、もうそれは完全にできなければなりませんね。字をとらえるのではなく、語いをとらえることです。その次、4年生ぐらいになりますと、文でとらえてくれないと困りますね。

 一行飛びなんていうのはとても困りますね。
 それから、唇が少し動いている子どもは、声帯を動かして読んでいるんですね。これは、小学校で受け取った時は、もう遅いかもしれない、これはお母さんの問題なんです。その子は、永遠に速く読めるようにはならないというわけです。
 しかし、小学校で受け取ったとき、早く発見すれば、まだ直せるんですよ。最初に読ませてみる時に、見つけてください。唇が動くなんて最低ですよ。先生が飛びついて世話をしてやらなければなりません。これは人数が多くてはできませんし、たいへんです。