カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

「給食格差のこと」~気持ちyく食事を摂る躾を受けてこなかった子たちの話

 昨日から1年生の給食が始まっています。昨日は忙しくて見に行けませんでしたが、今日はぜひ行ってみたいと思っています。

 1年生の指導をして驚くのは、その食べる能力の格差です。 
 一方で「少し食べるのを控えて欲しい」と思う子もいれば、食べるものがほとんどない子もいます。数年前私が担任していた子は、「(肉と魚と野菜以外は)何でもよく食べる子」でしたが、その三つを除くと,食べられるものはご飯と牛乳とデザートぐらいしかなくなってしまいます。実際「今日の朝ご飯はお茶漬けだった」なんて平気で言っていました。

 給食が始まるとご飯と牛乳を食べ終わって、あとは果てしなくお皿とにらめっこ。最後は各おかずを5mm角に切ってそれぞれ一粒飲んでくれればよし、というところまで行ったのですが、それでも口に入れることができず、「一年間掃除をしない子」になってしまいました。

 「乳幼児というのは『食べて・遊んで・眠る』のが仕事なんだから、この三つをしっかりやらない親は親じゃない」と喝破した人がいましたが、実際やってみるとこれがなかなか大変です。常に危険がないよう目を配りながら自由に遊ばせること、眠らない子を眠らせること夜起きる子をできるだけ早く再び眠らせることなど、大変な努力が必要です(鹿島先生や室井先生には、現在進行形の問題かもしれません)。

 同様に「食べさせる」ことについては常に栄養バランスに気をつけ、親の(家族の)偏食が赤ん坊に移らないように自分の嫌いなものも調理して食べさせなければなりません。最終的には赤ん坊には「いやなものは口から出してしまう」という作戦がありますから、調理に工夫したり叱ったり、辛抱強く待ったりとほんとうに大変です。

 赤ん坊にも個性があって生まれながらよく食べる子とそうでない子がいます。もしかしたら味覚過敏で味の濃いものは一切ダメといった子もいるかもしれないので一概に言えませんが、何でも食べる子というものは、一般に辛抱強い食育を受けた子です。そうした子が悪い子であるはずはありません。いやなものでも頑張って食べようとする子はいやな言葉も受け入れやすいという印象を、私は持っています。

 先生方の中にも食べさせることに非常な熱意を持っておられる方がいますが、よく理解できることです。「給食を強制すると不登校になる」と言われたりもしますが、学校で苦しいことが給食だけなら、学校に来なくなることはありません。みんなが同じ量を同じように食べられるようになる必要はありませんが、せめてクラス全体としては残食が出ないように努力・工夫したいものです。

 給食室の先生方も大変気をつかって給食を作ってくださっています。