カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

2016-02-01から1ヶ月間の記事一覧

「大学ランキング、日本の凋落、韓国の死」〜自分の目で見る⑥

北京大にも抜かれ…東大、アジア首位転落 京大も88位に後退(2015.10.1産経) それが「(THE)世界大学ランキング2015-16」で起こった事態です。長く20位前後を保ってきた東大が43位に転落し、京都大学も59位から88位に急下降したのです。産経新聞を…

「大学ランキングは美人コンテストである」b〜自分の目で見る⑤

世界大学ランキングは何をもって順番をつけているのでしょう? 右は定評のある「タイムズ・ハイアー・エデュケーション(THE)世界大学ランキング」の評価指標です。「研究者の評価」というのが二か所に出てきますが、これはアンケートのことです。自分の…

「大学ランキングは美人コンテストである」a〜自分の目で見る④

資料の一部だけを提示して全体を見せない――TIMSS1999を使って「日本の中学生の学力は東アジアで最下位」というのはそういう詐術です。このやり口は「世界大学ランキング」でもしばしば用いられました。 例えば定評のある「タイムズ・ハイアー・エデュケーシ…

「学力報道のイカサマ」〜自分の目で見る③

2001年1月8日に中国新聞が書いた。「昨年末、国際教育到達度評価学会が公表した『国際数学・理科教育調査』では、日本の中学生の数学は東アジアの参加国で最下位。数学と理科が好きな生徒の比率は参加三十七カ国・地域のビリから二番目という情けなさ」につ…

「こと教育に関して『欧米では』ときたら、それは真似してはいけないことだ」〜自分の目で見る②

私は素直な性質で大人になってかなりの年まで「新聞や雑誌、書籍・テレビといった公器を使っていい加減なことやウソを言う人はいない」と思い込んでいましたので、日本心理学界の重鎮(だった)河合隼雄ですらいい加減だと知ってからはむしろいちいち疑って…

「ココロの森の専門家」〜自分の目で見る①

以前、中学校の免許しか持っていない私がどうしても小学生のことを知りたくて、通信教育で小学校免許を取って異動したというお話をしました。中学校に進学してくる子どもたちの95%は満足だったり我慢できる範囲にあるのに、残りの5%がどうしても分から…

「拾遺」b〜子どもたちの危機⑪

子どもにとって「絶望の我慢」というのは分かりやすい概念です。欲望が大人によって「ダメ」の一言で終わってしまう場合です。 これがある程度大人だったら「ダメ」と言われたところから手練手管・深謀遠慮・権謀術策、さまざまに手を打つことができます。裏…

「拾遺」a〜子どもたちの危機⑩

「『ケレドモ』でふみこたえ、『ケレドモ』をテコに起き上がる誇り高き4歳児」をどう育てるかという問題について書き漏らしました。 昔、大学で学習心理学を教授する若い先生と授業研究について話しているとき、どうも噛み合わないなあと思っていたら“研究”…

「児童館という現場」〜子どもたちの危機⑨

児童館は教育機関ではありませんから基本的に学習指導や生活指導は期待されていません。しかし「子どもの集うところ事件あり」ですから当然トラブルはつきもので、それをほったらかしと言うわけにはいきませんから必然的に生活指導・生徒指導的対応を取るこ…

「現場検証のすすめ」c〜子どもたちの危機⑧

事実をはっきりさせること、そして机上では思いつかなかったミスや調査の穴を明らかにさせること――そんな目的で始めた「現場検証」ですが半ば面白がってやっているうちに別の側面も見えてきました。それは事実を客観的に見ているのは私だけではないというこ…

「現場検証のすすめ」b〜子どもたちの危機⑦

私に現場検証の重要さを教えてくれたのは中学校の担任をしていたころ、担任するクラスにいたM君です。 私はいつか痛快爆笑コメディ「M君物語」を書こうと思っていますが(たぶん書かないでしょう)、とにかく想像を絶した不思議な少年でした。犯罪に関わら…

「現場検証のすすめ」a 〜子どもたちの危機⑥

「心の理論(=心の理解)」は4歳から7歳までの間に獲得される――ということは小学校1年生ではまだ「他者には他者の思いがある」ということが理解できない子がいる、もしくはできても十分訓練を積んでいない子が多い、ということになります。したがってこ…

「鬼となれ」〜子どもたちの危機⑤

「心の理論(=心の理解)」は4〜7歳にかけて獲得される、相当大きなばらつきがある――、このことは子どもの指導をする上でさまざまな示唆を与えます。 とりあえず言えるのは2〜3歳の子に向かって、「そんなことをしたら皆が困るでしょ」とか「人の気持ちも…

「心の理論の獲得」〜子どもたちの危機④

動物に心はあるのかという問題については、かなり昔から話し合われた形跡があります。デカルトなどはそうとう熱心にこれに取り組んだようです。 20世紀になっても数々の論争が繰り広げらましたが、そもそも「心があるかどうか」より前に「心とは何か」とい…

「イヤイヤ期の克服」〜子どもたちの危機③

3歳以下の乳幼児はそれなりの個性はあるもの、特別な例を除くとだいたい大枠の中にいる、それにも関わらず小学校1年生(その年に7歳になる子たち)は多彩で複雑である、その間わずか3年。その3年間に何があるのだろう、それが先週までのお話でした。 私は…

「小学校では遅すぎる」~子どもたちの危機②

私は教員生活を中学校から始め、やがて小学校に移って最後は管理職をやって教員生活を終えました。その期間は10年、10年、10年です。 小学校に異動したときある保護者が陰で「T先生は(中学校で)何をやらかして小学校に下されたのか」と不思議がった…

「1歳児が犯罪者になるまで17年」~子どもたちの危機①

娘のシーナが息子(私にとっては孫)のハーヴを連れて帰省しました。昨年の6月、新生児仮死の状態で生まれた子です。(2015.09.14「いのちのこと」①以下参照)。 あれから七か月半、これといった問題もなく、体重も9kgを越え、元気にすくすく育っていま…

「更新しました」

「キース・アウト」 2016.02.03 文科省、高3対象の英語力調査公表 7〜9割が中学卒業レベル以下

「赤ん坊に向けて『お母さんは困った!』と叫び続ける」~母親たちの危機②

エストロゲンの作用によって(ってホントかな?)産後、孤独感と不安にさいなまれた母親は共同保育に向かおうとする。人類は700万年かかってそうした形質を作り上げてきたにもかかわらず、この100年余り、先進国はむしろ個別保育に向かっていった――そ…

「今、母親たちはどこにいるのか」~母親たちの危機①

一昨日(1月31日《日》)、「NHKスペシャルママたちが非常事態!?〜最新科学で迫るニッポンの子育て〜」という番組がありました。ふれこみは次の通りです。 女性が子を産み、母になる。その時、母親たちの脳や体に、驚くような変化が次々と起こること…

「鬼のいる世界」~だから自分は保てる

先週のNHK「所さん!!大変ですよ」(毎週木曜日午後10時55分〜午後11時20分)は「衝撃映像!あの“怖い鬼”が消えちゃった!?」という話でした。 どういう内容かというというと、秋田県のにかほ市でナマハゲに似た神事「アマノハギ」が子どものいる家から…