カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

2015-01-01から1ヶ月間の記事一覧

「自分のこころを正しく把握し、正しく言語化することについて」~いびつな言語感覚③

学校に関わる重大な事件が起こった時、それぞれの管轄教育委員会が「子どもの心のケアのためにカウンセラーを派遣します」と発言することが常となっています。とりあえずそう言っておかないと済まない、そう言っておけば当座はやり過ごせるといった感じも受…

「子どもは偏向している」~いびつな言語感覚②

子どものいびつな言語感覚を考えるとき思い出すのは、1997年5月に起こった「神戸連続児童殺傷事件」、いわゆる酒鬼薔薇聖斗事件の挑戦状です。「さあゲームの始まりです。愚鈍な警察諸君、ボクを止めてみたまえ」で始まる有名な文章は、のちに出される…

「難読漢字をやたら知っている子たち」~いびつな言語感覚①

小学校3年生の女の子に、この字は何と読むのかと問われました。「蠱毒」「髑髏」「蠱惑(コワク:あやしい魅力でまどわすこと)」という言葉を知っていたので「コドク」ではないかと思ったのですが、自信も持てないのでネット検索に頼ることにしました。 す…

「学ばぬ人たち」~それが人間のは重々承知しているけど・・・

児童生徒は一人ひとり違うのだから、それぞれに合わせた教育が必要である――と、それはごもっともなのですが、それを突き詰めていくと個別教育以外の教育はできなくなってしまいます。 実際には、子どもは(というか人間は)一人ひとり違っていると同時にかな…

「教育のドクター・ショッピング」~自分に都合の良い答えを求めて歩き回ってはいけない

よりよい医療を求めて次々と医者を変えることを「ドクター・ショッピング」と言うのだそうです。 セカンド・オピニオンと異なるのは、後者が主治医の了解のもと、治療方針の確認や補強、場合によっては新たな選択として別の医師の診断を仰ぐのに対し、前者「…

「ゲーム機をいかにせん」~うちの子がさっぱり勉強しないので・・・という相談に対して答える

「ネットゲームにはまり込んでまったく勉強しなくなった息子からモバイルを取り上げた。ところが三日も経たないうちに『今度こそ勉強を頑張る』『時間を決めてきちんとやる』『夜10時以降は絶対にやらない』と繰り返し訴えられている。今までだって約束を…

「原理主義者の心得」~もう少し余裕を持って考えよう

私は一種の原理主義者でしたので、生徒との間で校則やルール、約束事が守られないことには我慢がなりませんでした。一部のものが楽や得をして、他のものが苦労や損をするという不公平が耐えられなかったこともありますが、校則やルールに例外をつくるとその…

「子どもたちが覚えていること」~教え子の同窓会に招かれて③

先日からお話ししている同窓会の席上、ひとりの背の高い元教え子から声をかけられました。女の子です(ただし今は40歳)。「先生から話してもらったことで、覚えていることがあります。先生、『姿勢を良くしなさい』と言ってくれました」 もっとためになる…

「人生のピーク」~教え子の同窓会に招かれて②

四半世紀前に卒業させた教え子の同窓会に招かれた話をしました。彼らも 40歳になっています。 実はこの招待、内心とても気の重い面がありました。それは私の記憶力に関わる問題です。 相貌失認という障害があるそうですが、とにかく人の顔を覚えるのが苦手…

「学校はアフターメンテナンスをしない」~教え子の同窓会に招かれて①

教職はサービス業だという言い方に終始反対してきました。農林水産業ではなく鉱工業でもないという意味での“サービス業”――それだけの話なら受け入れてもいいですが、学校と一般のサービス業を同一視するのは、むしろサービス業の側に失礼です。 だいたい多く…

「『現代の家柄』再考」~人柄と同じ意味での”家柄”の話

事情があって過去記事を調べていたら、同じ題名の記事を2007年から三年連続で載せているのです。「現代の家柄」(2007/6/19、2008/3/10、2009/12/2)、全く気付きませんでした。 幸い話題の中心に据えた事例はそれぞれ別で、その都度、新しい気持ちで書…

「ブライダル・オーラ」~花嫁は自分より美人の友だちを呼ばない・・・わけではない

結婚式に何回か招かれるうちに、時に「今日の花嫁、美人の友だちを全部はずしたのかな」と思うことがあります。そのくらい「新婦友人」に美人がいないのです。 しかし“運悪く仲間に超美人がいた”という人間関係がないはずはなく、“美人は、親友でも披露宴に…

「マックどーなるの?」~悪しき不祥事対応の見本になったぞ

マクドナルドの異物混入問題で日本中が沸騰しています。 昨年7月、仕入れ先だった中国の食品加工会社が期限切れの鶏肉を使用していた問題が発覚、以来とまらなかった客離れに拍車がかかるのかもしれません。 しかし考えてみると、日本マクドナルドは全国に…

「日本民族を守る学校が政治に弄ばれている」~国敗れて山河あり③

日本の教育に対する内外の評価の差には驚くべきものがあります。 例えばサウジアラビアでは2010年に連続番組「カワーテル(思考)―改善」という番組が放送され、横断歩道を渡った後に車に向かって挨拶する小学生や子どもが行う学校の清掃が紹介されまし…

「民族性を守るのが学校だ」~国敗れて山河あり②

民族性の中核は国語です。国語を失わない限り民族は存在し、維持され続けます。 その“国語”はさまざまものを付随します。例えば「もったいない」はその概念や感じ方、行動の仕方を身にまといます。「おもてなし」も単独の単語として存在するのではありません…

「民族の根幹は国語である」~国敗れて山河あり①

内田樹がWeb上で「2015年の年頭予言」を書いています(『内田樹の研究室』 2015.01.01)。 それによると日本は政治・経済ともに滅びの道を歩んでいる、しかし国敗れて山あり、山河が残っている限りはこの国は大丈夫だろうと、そんなふうに言っていま…

「新年の誓い」〜汝自身を知れ

たいていの学校でたいていの担任が児童生徒に「新年の誓い」を書かせると思いますが、それはなかなかいいことだと思っています。 例え三日坊主に終わろうとも、前年を振り返り、こんなことならできそうだなと思ってスモールステップで目標を定める。一年の初…

おめでとうございます

あけまして おめでとうございます