カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

2011-06-01から1ヶ月間の記事一覧

「オバタリアンと宰相不幸社会」~なんか似ているなと思えてきた

かつて「オバタリアン」という言葉が一世を風靡したことがあります。元は堀田かつひこが連載していた4コマ漫画(1988―1998)なのですが、言葉は原作を越えて広がりました。 オバタリアンは相手次第で知ったかぶりと知らんぷりを交互に連発する‥。オバタリア…

「天才親の世界」~親であることが天才的に上手な人たちがいる

以前、といっても私が前の仕事に就いていたころの話ですから30年近くも前のことですが、通勤に使っていたバスの中で、面白い風景を見ました。4〜5歳くらいの男の子とお母さんがなぞなぞ遊びをしているのです。まず母親が息子に訊きます。「海の中にいて…

「いじめの指導をどうするか」~本質的な解決でなくてもいい時がある

一昨日は県南大会女子ソフトテニスの部の競技役員として、一日忙しく働いていました。土曜日の試合で本校の全チームが負けてしまったので応援する選手もなく、せっかくの日曜日を潰して一日中働かされるのはたまりません。と、そんなふうに不貞腐れていたと…

「子どもは天からの・・・」~さずかりものではなく”預かりもの”だという話

たまたま職員室におられた中野先生と榊原先生に「レディ・ガガの顔、分かりますか」と尋ねたら「あんな感じでやっているのがレディ・ガガというだけで、顔はわかりません」とのことでした。それで少し安心しました。見るたびに別人のように見える(というか…

「『体罰礼賛』・・・ではないけれど」~それに代わる抑止力が、なかなかない

先日、PTAの会合で他の学校の保護者と飲む機会があったのですが、その席上、隣に座った方から「昔の先生は生徒のことをバンバン殴った。しかし生徒はそんな先生についていった。自分が悪いことをしたら殴られるのは当然だと思っていたし、殴ってでも悪い…

「男の子、女の子」~育て方も育ち方もやはり違う

昨日の研究授業を見ながら思い出したことが二つありました。そのひとつがゲーテの言葉、「若い男が教え、若い女が学ぶとき、勉強ほど楽しいものはない」 男の子は何でも知ったかぶりしますし、女の子の優位に立つ機会などめったにありませんから勉強を教える…

「花が咲いたり咲かなかったり、作物が出来たりできなかったり、何か変」~今年の私の園芸模様

何か変です。 一カ月ほど前、家のクンシランが見事に咲きました。私の育て方が悪いせいで、5年に一回くらいしか咲かない花です。 クジャクサボテンの開花はこれからですが、例年の3倍ほどの花芽をつけています。 家庭菜園の方はうまく行きません。この10…

「三行半(みくだりはん)」~江戸時代の離婚の作法。しかし女性は強かったという話

現代にあって結婚することの意味は何だろうと考えているうちに、突然「三行半」のことを思い出しました。「みくだりはん」と読み、江戸時代の離縁状のことを言います。基本的に夫が妻に一方的に出すもので、当時、女性には離婚請求権はありませんでした。 3…

「結婚するって」~やっぱり愛かな、とおもったこと

11日(土)に、佐藤千尋先生の結婚式がありました。うっかり報告を忘れていましたので改めてお話します。 千尋先生はもちろん美しく幸せそうでしたが、新郎の輪をかけて嬉しそうな様子には、ちょっと考えさせられました。私自身の結婚の時はそんなに嬉しく…

「寝たきり老人をなくす運動」~ウナギの稚魚を生かしておく方法、不登校の子を生き生きとさせる方法

「寝たきり老人をなくす運動」という言葉を聞いたとき、からかい半分に「オイ、オイ、無理やり起こして歩かせるのかよ」と言ったら本当にそういう運動でびっくりしました。動くのが億劫になった老人が「寝たきり」にならないよう外に連れ出す、といったこと…

「命までは寄こせといわないでしょう」~苦しくなったとき、いつも思い出す言葉

生徒会新聞に載せるので座右の銘を書けという話がありました。私は迷わず、「命までは寄こせといわないでしょう」と書きました。 30年近く以前、私よりずっと若い教師に教えられた言葉です。 初任のクラスが大荒れに荒れて死ぬほど苦労しているとき、隣の…

「18万km」~私の車のトリップメーターを見て思ったこと

先月の半ば、私の車のトリップメーターがついに18万kmを記録しました。ざっと8年弱かかって成し遂げた記録です。 遊びに使う車ではありませんから(と言っても別に遊び用の自家用車を持っているという意味でもありませんが)ほとんど通勤だけでこの数字…

「いじめられたYさん」~話を聞いたらまるで”いじめ”ではなかった”いじめ”の話

まだ携帯電話を持つ前なので15年ほど前のことです。当時私は小学校6年生の担任をしていました。 ある夜、風呂から上がってさあ一杯飲もうかといったときに、Yさん保護者から電話がかかってきました。 娘が酷いイジメにあい、もう学校には行きたくないと言…

「学校はどうなるのだろう」~”教育改革”で学校が壊される

選挙公約、年金なんて若者にはぴんと来ないし景気対策といったって具体的な話になるとよく分からない、分かるのは減税とバラマキと教育の三つだけ。増税といっただけで票は減り、減税とバラマキは単純に票を増やす。教育は改革するというだけで票に繋がる。…

「不審者対応訓練」~一番ありそうな想定であってもありそうな気がしない

一昨日6月8日は、大阪教育大学附属池田小学校で起こった乱入殺傷事件から10年目にあたる日でした。あの日、私は出張先から学校に戻る車の中で第一報を聞き、夕方までにひとり、ふたりと次第に死者の増えていくのを学校のテレビで確認していたように思い…

「校則はくだらなければくだらないほどいい」~破られてもその子の人生に大きな影響がないから

学校に限らず、すべての組織には規則やしきたりや暗黙のルールがあります。私たちはそのいちいちを確認してから組織に属するのではなく、また組織に属したあとも詳しく検証したりすることはありません。ですから例えば、生徒に校則の一部を突き出されて「な…

「K君のこと」~初めて出会ったアスペルガー症候群の子

「わがままで身勝手、プライドは高いのに何もしない」 15年ほど前、初めてアスペルガー症候群の子どもについての説明を受けたとき、担当のカウンセラーが言った言葉です。今でこそさまざまなタイプのお子さんのいることが分かってきていますが、当時の典型…

「教師の人生設計」~人生に大雑把な見通しをつけておく

今から思うと若いころはけっこう自己本位で、将来のこととか親のことなどまったく考えずに突っ走ってきた感があります。もっとも普通はそうなのであって、若いうちから将来を見越して着々と手を打つような人生は何か胡散臭い気がしないでもありません。しか…

「Mさんのこと」~中途半端な心理学通が判断を誤る話

長く教員をやってくるとさまざまに思いを残す子がいます。Mさんもその一人です。 小学校5年生で担任し2年間教えた女の子ですが、最初から非常に難しい子だという引継ぎを受けていました。 とにかくエキセントリックで、一旦“キレル”と手の施しようがない…

「アルコール考」~お酒に関する個人的研究と考察

数年前、夏休みの期間を使ってアルコールはどの程度身体に残るかという実験を行ったことがあります。花岡青洲の妻ではありませんが、自分の身体を捧げての研究です。 結論的にいうとこの実験、条件を揃えるのがとても難しくてうまく行きませんでした。これは…

「発達障害の子たちの個性」~概念のおさらいをします

先週の水曜日の「ザ!世界仰天ニュース」は「変わった子と呼ばれた苦悩の32年間」という題名のものでした。 予告を見たときに、ああこれはADHDの話だなとすぐに思ったのですが、何しろ「仰天ニュース」ですからロクな扱いはされていないだろうと思い、…

「福島原発事故から学ぶこと」~共通の意志がなければ、勝手にやるしかない

東京電力本店の指示にもかかわらず原子炉への海水注入をやめなかったということで、福島第一原発の吉田所長が英雄あつかいされています。権力に屈した本店が過ちを犯そうとしたとき、決然と正しい道を貫いたのですから英雄扱いも理解できないわけではありま…