カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

2010-06-01から1ヶ月間の記事一覧

「愛情貯金の話」~いざというときに大放出できるように、大量に積んでおけ!

4月のことです。夜、歯磨きに洗面所へ行くと、長風呂から出たばかりの息子がドライヤーを使っていました。その髪が妙に赤く見えたのでアレ、と思ってよく見たらやっぱり真っ赤です。 「テメェ、いつ染めたんだ」と言うとトボケて「今」。 その瞬間、私の口…

「現代の愛」~その人のために最も大切なもの(時間)を差し出すこと

教育の問題を「愛」を絡めて話すと難しくなる場合があります。たとえば「愛情不足」といった言葉です。保護者の方は「愛情不足だったかもしれませんね」といったりするかもしれませんが、安易に乗ってはいけません。愛情不足といわれても何をしたらいいのか…

「村の近代化」~それが子どもたちを幸せにするかという素朴な疑問

ここ数年、私の読書のテーマは「日本人はどのように教育されてきたか」というものです。そうは言っても教育史をずっと遡るといったものではなく、幕末期から明治、昭和前期くらいまでの庶民が受けてきた教育を、民俗学的な見地から記録したものを中心にたく…

「ご苦労様 とりあえずバスケ部」~選手と顧問と保護者、三位一体の偉業

バスケ部の大会が終了しました。 目標の県大会出場にはあと一歩、ほんとうにほんの指先ほど届かず、敗退しました。しかし最後まで、その戦いぶりは立派でした。 市内大会のときはどこかちぐはぐで、あれよあれよという間に点を取られる場面がありましたが、…

「マグネット・タック・ピース」~仕事に役立つ文房具①

最近はそうでもないのですが、若いころは相当な文房具・事務機マニアで、けっこうな散財をしたものです。 最初の赴任校は60人近い教職員のいる大校でしたが、コンピュータを持っていたのは私一人でした。ワープロ専用機の導入も最も早かったのですが、早す…

「評価の振り子」~保護者が天使とモンスターの間で揺れ動く

2006年のトリノ・オリンピックのフィギュア・スケートの安藤美姫が「ミキティ」と呼ばれているのは知っていましたが、荒川静香の名前で出かけていったアスリートが金メダルを取って帰ると「しーちゃん」になっていたのは呆れました。 今まっ最中のワール…

「美しい日本人たち」~チケットはないが、エチケットならある

さて、いよいよ明後日の朝です。明日は早く寝て、3時半には目を覚ましましょう。 とは言い条、しかし私はそれほど熱心なサッカー・ファンでもありません。ぼんぼん点の入るバスケットボールやバレーボールと異なり、90分走り続けて1点か2点というストレ…

「時代は変わる」~不登校の歴史も長くなった、という話

「Always 3丁目の夕日」を映画館で見ている最中のことです。舞台は昭和33年ですが、ようやくテレビを買うまでに豊かになった自動車修理屋の主人が、感極まって言う、「戦争が終わって13年」という台詞に椅子から転げ落ちるほどのショックを受けました。…

「夏至」~あまり知られていない夏至のウンチクを語りましょう

本日は夏至です。 二十四節気(春分・夏至・秋分・冬至・立春・立夏・立秋・立冬・小暑・大暑・処暑・小寒・大寒・雨水・白露・寒露・霜降・小雪・大雪・ 啓蟄・清明・小満・ 穀雨・芒種 )のひとつで、1年の中で最も昼間の長い日です。 その日が6月にある…

「文化の香りのある学校」~私はこの学校をそんなふうにしたい

もはや地域で最も文化的な場所が学校ということはなくなりましたが、かつてはそうでした。 学校は一種の文化センターで、学校に行けばオルガンがある、ピアノがある、懐中時計を懐に入れた校長先生がいると、文化の香りが色濃く広がっていたはずです。「二十…

「子どもを信じる」~三つの『たい』―『誉められたい』『認められたい』『役に立ちたい』

先日、ここにこんなことを書きました。 子どもが刑事事件を起こして警察に呼ばれ、「親としてしっかり見ていたのですか?」と問われ、「子どもを信じていました」と言ったら笑いものでしょう。しかし多くの(教育の)専門家は「子どもを信じろ」と言います。…

「そのままでいいんだよ」~子どもたちと遊ぶことが好きな先生たちが、実はしていること

「子どもには『そのままのキミでいいんだよ』というメッセージが与えられなければならない」といった言い方があります。特に不登校指導の現場で多用される言葉ですが、非常に分かりにくく厄介です。 学校は教育を本旨とし、行動変容や成長を目的とするところ…

「人を成功に導く五つの要素」~部活動壮行会を見ながら思い出したこと

金曜日の壮行会では、不覚にも涙が出そうになりました。 一人ひとりに心を寄せて指導してきた教師たち、そしてほんとうに小さなころから知った者同士が選手を送り出す姿は、ある先生が「村を挙げて出征兵士を送り出すみたいだ」と表現されましたが、確かにそ…

「悪魔の言葉」~保護者に対する教育上のアドバイスは、時に悪魔の言葉となる

1996年11月東京都文京区で、父親が家庭内暴力の息子(当時中学校三年生)を金属バットで殴り殺すという事件がありました。当時もそれほど珍しい事件ではなかったのですが、このときはその父親が東大卒であったことから特に注目される事件となったので…

「言葉の難しさ」~語の誤用の昨今

職員室で、学力の「ほしょう」はなぜ「保障」なのかという話がありました。「必ず学力をつけます」という意味では「保証」の方がよさそうな気もしたのですが、現実問題として保証しかねる子もいるわけで、ちょっと言葉が強すぎる感じがします。もちろん「補…

「きのう見た夢」~私は心やましいことを抱えているのかもしれない

昨日の朝、不思議な夢を見て、忘れたくないので声に出して何度も反芻した挙句、妻を起こして聞いてもらい、やっと記憶に保持して文章に写しました。夢の記憶はすぐに消えてしまいますから。 その夢というのは、 場所は、私が二番目に赴任した学校。設定は私…

「スタンド・バイ・ミー、ライ麦畑でつかまえて」~こころ動かされたセリフ

応援練習が始まりました。あれぽっちの人数で、咳き込むほどにがんばって大声を出している姿にほとほと感心し、誉めに行こうとした矢先、立石先生が先に現場へ行って・・・怒っていました。「声が出てネーダロ!」 担任とは欲深なものです。これだけできるな…

「親心の記録」~自分が死んだあと、障害のある子が困らないように

昨日の朝のニュースで、北海道の知的障害者の保護者グループが、親を突然なくした場合も子どもが困らないよう、年金などの手続きを事前に記しておく冊子「オホーツク版・親心の記録」というものを作った話をしていました。「オホーツク版」というのは、それ…

「道徳の美学」~道徳は正義の問題ではなく、むしろ美しさの問題だ

道徳は、一般には「他人に迷惑をかけない」ことを中心に語られます。実際、多くの保護者に聞けば「人に迷惑をかけない子に育て欲しい」という言葉は繰り返し出てきます。またちょっと曲がった方向に行ってしまった子どもたちの「別にめーわくかけてるわけじ…

「学校のトリニティ(三位一体)」~知・徳・体の話

私は政治経済学部政治学科卒で専門は近代政治史です。特に日中関係の政治史を中心に勉強しました。 歴史にのめりこみ社会科に惚れ込んだので現在の職業につきましたが、教員になってみると社会科以外にやることが多すぎて、したがって学校内における社会科以…

「政局・政府首脳・National Diet」~政治に関わる不思議な用語

鳩山総理が辞職をするということで、政局は一気に動き始めました。目の前でリアルに政治が動くときですから、小学校の高学年以上には注意を向けさせておくといいかと思います。今はわからなくても、「ああ、あのときのアレはこういうことだったのだ」と思い…

「親子の祝祭」~学校で起こった嫌なことばかりを話題にして、盛り上がる親子

「石橋を叩いて渡る」という言葉がありますが、叩いたところ実際に割れてしまったとしたら、その人はどう感じるでしょう。私は、おそらく満足するのではないかと思うのです。もともと石橋を叩くこと自体は馬鹿げたことですが、実はそれが馬鹿げたことではな…

「6月になりました」~水無月のウンチク

6月になりました。 日本では、旧暦6月を水無月(みなづき)と呼びますが、時期とすると現在のおよそ7月中旬から始まる一ヶ月ということになります(今年2010年の場合は7月12日)。梅雨が明けて最も暑くなる時期ですので、文字通り「梅雨が明けて水…