カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

2008-05-01から1ヶ月間の記事一覧

「何が大切なのだろう?」~学校問題のどこから手をつけるのか

2004年の中越地震で新幹線が脱線した際、マスコミは「安全神話の崩壊」と大きく報道しました。2007年の中越沖地震では柏崎刈羽原発で火災が発生し、敷地内に大きな亀裂が発生したために、これも「原発の危険性が露呈」したということで大きく報道さ…

「聞く」~”キミを愛している”の具体的意味

「今のままでいいんだよ」「そのままのキミで十分に愛されているんだよ」 そういうメッセージを子どもに与えなければならない。 不登校の研究の場でよく言われることです。 しかしそれが私には分からない。 学校に行かない、社会にも出ない、家の中でただ悶…

「5月29日」~明日はJ・F・Kの誕生日

明日5月29日はJ・F・ケネディの誕生日です(ちなみに、野口雨情、美空ひばり、大鵬幸喜も同じ日です)。 1963年に暗殺されたケネディと1865年に暗殺されたリンカーンの間には、不思議な共通点と相違点があります。 ケネディが大統領になったの…

「皆勤の勧め」~危険だがやはり必要

中学校の学年集会の最中に失神し、顔から倒れて前歯を折った女の子がいました。女の子なのですぐにも歯医者に行きたがったのですが、動き始めたとたんに頭が痛いと言い出し、だったら脳神経外科が先だという話になって、行ってCTを撮って医師の説明を聞き…

「四川」~大地震があったので調べてみた

四川大地震から2週間がたちます。 ずっと気になっていたのですが、時間ができたので調べてみました。 四川というのは中国内陸部の省で、中国4大料理体系の中心地のひとつとして有名です(他の三つは広東・北京・上海)。 四川料理は山椒・唐辛子などの香辛…

「もっと勉強しなくちゃ」~心に関わる用語の難しさについて

先日の職員会の最中に「境界性人格障害」という言葉が出てきてちょっと驚きました。中学校ではしばしば出てくる言葉ですが、小学校ではめったに出ない言葉のように思っていたからです。 自閉という言葉がしばしば「閉じこもり」や「引きこもり」と混同される…

「120点の仕事」~100点を取るためにすべきこと

100点と99点では天と地ほどに違うという話を、子どもたちにはします。100点を取るための完璧な勉強をしたつもりでも、人間は必ずミスを犯すから1〜2点引かれて99点または98点。ミスをゼロにして100点を取るためには、とんでもなく細かなこ…

「もの隠し」~弱者の犯罪

もの隠しは典型的な「弱者の犯罪」であって、集団で行われることは稀です。私の経験で言えば20年ほど昔、中学生の不良女子グループが遊び半分で本当に楽しくやり続けたことがありますが、それは例外的で、普通は孤立した、さびしい子によって行われます。 …

「子ども居場所づくりの本筋」~その子が必要とされ、役に立つ場

わけあって義母を2ヶ月ほど施設に入れたことがあります。値段もよかったのですが人的・物的に非常に整っていて、すばらしい施設でした。その中で義母は呆けたように暮らしていました。 それからまた事情が変わって年季明けみたいに自宅に戻り、お茶を入れた…

「もう一度おさらい」〜発達障害の用語

最近「広汎性発達障害だが自閉症ではない」という記述を読みました。深読みすればいろいろな理由が考えられますが、表面的な、一般的なレベルでは誤った表記です。そこで、一度おさらいをしておこうと思います 自閉症とは、(他人と関われない・強調や共感が…

「銀河」~芭蕉の句の先に見えるもの

今日、5月16日は松尾芭蕉が奥の細道の旅に出発した日とされています(1689年、旧暦3月27日)。 夏草や 兵(つはもの)どもが 夢のあと 五月雨の 降り残してや 光堂 五月雨を あつめて早し 最上川(もがみがは) 一家(ひとつや)に 遊女もねたり …

「胎児は何を聞きながら育ってくるのか」~胎児の育つ環境が変わっている

かつて「母親の胎内の音のレコード」というものが発売されたことがあります。心音と血流の音だけの不気味なレコードでしたが、それをかけると赤ん坊が安らいで眠るとかで爆発的に売れました。確かに生命として誕生してから9ヶ月間聞き続けてきた音ですから…

「『坊ちゃん』でも教員が務まった時代」~結局、子どもたちが偉かったという話

夏目漱石の小説の主人公『坊ちゃん』は典型的なADHDだという話を聞いたことがあります。 親譲りの無鉄砲で子供の時から損ばかりしている。小学校にいる時分学校の二階から飛びおりて一週間ほど腰を抜かした事がある。 そんなら君の指を切ってみろと注文…

「分かっちゃいるけど・・・」~分かっていながら、いつまでもできない自分や子どもを許す

植木等という人はとてもまじめな人で、若い頃、どうしても芸能キャラと合わないので、実家の父親に相談したことがあります。 僧侶である父親が「お前どんな仕事をしてるのだ?」と訊くので青島幸男の作った詞を見せると、「う〜ん」と唸って、「これは仏の道…

「勉強しなくちゃ」~これからは虐待についてもきちんと学んでおかなくては・・・

昨日、◯◯市で開かれた教育問題の講演会にいってきました。さまざまに考えさせられる内容でした。 学校には、教科教育以外にも大量の教育情報が存在します。学校行事の運営の仕方だとか特別活動のやり方、スキーやスケート水泳などの指導法、子どもの誉め方や…

「こんなのいかが? 教師の整理術⑥」~巨大キーホルダー、実は筆入れ

これだけ情報漏洩が問題になるとおいそれと仕事を家に持ち帰るわけには行きませんが、さりとて持ち帰りゼロにするには毎日とんでもない時間まで学校にいなければならなくなります。 独身時代ならまだしも、家庭があり小さな子どもがいるとなると、もうにっち…

「風向きは変わるかもしれない」~尾木直樹ですら教師の生徒愛に気づき始めた

尾木直樹著『バカ親っていうな!』(角川書店 2008)を読んでいますが、その中に、遠足に児童の弁当を作らされた教師の話が出てきます。どうしてそんなことをしたのかと訊ねる尾木たちに、 教師は、「だって、その子が遠足に来られなくなるから・・・」 その…

「すべての決まりには理由がある」~校則について達人でありたい

校則を始めとして、成文化されないものも含めると、学校にはかなりの量の決まりや約束ごとがあります。近代教育だけでも140年近く続いてきていますし、その中で培われてきたものですから、そのほとんどには合理的な理由があるのですが、世間にはまったく…

「縁の下の力持ち」~優れたクラスには必ず何人かいる妖精小人

昨日、全校朝会の後で昇降口に寄って右の写真を撮ってきました。 見事に下足がそろっています。 以前にもお話しましたが、一人ひとりが自覚しただけでは、こんなふうにクラス全員の靴がそろうことはありません。もちろん「自覚」は大切ですが、毎日のことに…

「恐い人とは何か」~ひとには怖くてはならないときがある

恐い人というのは、基本的に2通りしかいません。 ひとつは「何をするか分からない人」。前後の脈絡と関係なく突然怒り出したり、怒り始めると何をするか分からないような人、こういう人はやはり恐ろしい。だからヤクザは恐い。 ふたつ目は「愛する人・尊敬…