カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

2007-06-01から1ヶ月間の記事一覧

「ミューズとともにあれ(May the Muse be with you.)」~今日は音楽会

古代インドの神話で代表的な音楽の神さまは、弁才天です。美と智恵と音楽の神として知られています。そしてまた、鎌倉の銭洗い弁天のように、お金を増やしてくれる神でもあります。 弁才天は、インド神話において「サラスヴァティー」と呼ばれ、もとは同名の…

「モナ・リザ」~なぜこれがダ・ヴィンチの最高傑作なのだ?

学校内のたいていのことは説明可能だと思っているのですが、時々どうしても分からないことが出てきます。それはたとえば本校職員室、高井先生の後ろの壁にあるモナ・リザの絵です。伝統ある本校の職員室になぜモナ・リザなのでしょう? どういった教育的配慮…

「倶生神(くしょうじん)」~肩の上に乗って、その人の行いを記録し続ける神

赤井先生が昨日の文を読んで(左右の肩に神様の乗る)あの話を、「私はインドの神様で、クショウジンというのだと教わった」という話をしてくださいました。 司命・司録がそれだというのはもちろん私の創作ですので、こちらが本物に違いないと思い、早速調べ…

「司命(しみょう)・司録(しろく)」~間違った知識による良い教え

森羅万象すべてのものに神が宿っているという考え方を汎神論(はんしんろん)と言います。日本の神道はこれに近いもので「八百万(やおよろず)の神」というのはものすごくたくんさんの神という意味で800万という数字自体には意味がありません。 すべての…

「花意竹情」~和室に掲げられた扁額の意味

問題:この言葉、校内のある場所に掲げられていますが、どこにあるのでしょう? 答え:和室意味・その他: 宋の詩人・蘇東坡(そとうば)の詩の一説。「かいちくじょう」と読む。 「花のおもむき 竹の風情」ということで 「花は人を惹きつける心を持っており、…

「傷つくことはない」~難しいことには、最初から嫌な思いをする前提で始めなければならない

何かを人に頼むとき、それが難しい事柄であればあるほど、冷たく断られそうで気が重くなります。これについて今朝、ちょっといい話を聞いたので紹介します。 それは「100人にひとりしかイエスと言ってくれないような難しい依頼をするときは、99人にノー…

「子どもは学校に来なくていい」~来ていいのは児童生徒だけだ!

中学校の先生に今年の新入生は「姿勢が悪い」「聞かない」「手紙の交換をしている」「シャープペンシルの持ち方が悪い」「おしゃべりが多い」等々と言われると傷つきます。きちんとやって卒業させたのになあという先生もいれば、分かってはいたけれどできな…

「リスクの見積もり」~マスコミの提示する”子どもの危険”はいびつだ

あの、口うるさく声の大きなマスコミを何とかしなければと思うことがしばしばあります。うっかりテレビを見ていると、問題の所在や大きさを見失ってしまうからです。 たとえば不審者問題というもの、町じゅうが神経質になって、道を往来する目的不明の人々(…

「家柄のいい家にお嫁に行きなさい」~人柄と同じような意味での家柄の話

昨日の朝、いつものように靴をそろえていたら、6年生の女の子が二人、すうっと近づいてきて「先生、いつもありがとうございます」「私たちも手伝います」と言って半分ほどを手伝ってくれました。 なんと育ちのよい子たちなのでしょう? そう言えば先週の土…

「学校が学力向上に傾けば、我が子はむしろおいて行かれるのかもしれない」~学力問題の行く末

私の先輩の数学教師が「授業はやればやるほど差がつく」という研究成果を発表しています。 それは常識的に考えても当たり前で、学校が一切の授業をやらなかったら、全員おバカのまま平等です。 また、授業時数を増やせば成績の低い子も一時的に伸びますが、…

「下足箱の靴を揃えるのは実は簡単」~はきものをそろえると③

今週の火曜日の放課後、忘れ物を取りにきた児童のために玄関を開けてやって、その子が戻ってくるまでの時間、手持ち無沙汰なので何なんとなく上履きをそろえ始めました。そうやってそろえてみるとけっこう気持ちがよいので、翌日は午前中に児童玄関に行って…

「今度の日曜日は父の日」~先生の日はなぜないのだろう?

今週末、6月の第三日曜日は「父の日」です。 調べますと、『米の退役軍人が妻亡き後、男手で育てた6人の子供の一人ドット夫人が、1910年に「母の日のように、父に感謝する日を」と運動し、6月の第3日曜が「父の日」に制定された。父の日のシンボルはバラ。…

「奇跡の人」~それはヘレン・ケラーのことではない

澤田先生のバッグからヘレン・ケラーの伝記がのぞいていて懐かしい気持ちになりました。私が小学生のとき最初に読んだ伝記が、ヘレン・ケラーだったからです。もちろん普通の意味で感動し本を閉じたのですが、それから十数年後、今度は別の形でヘレン・ケラ…

「歯の衛生週間にひとこと」~風邪と違って放っておいても治らない

先週の木曜日、夜、食事を終えたら犬歯の裏がガリガリで、爪で触れたとたんガサッと穴が空いてしまいました。昔治療して埋めた部分が抜け落ちたのです。金曜日に歯医者さんへ行って治療が始まりましたが、お金も時間もけっこうかかりそうです。 私の両親は昭…

「がんばろう、みんな!」~教育問題-国は間違っても、私たちは直せる。

教育講演会に行ってきました。講師は国際基督教大学の藤田英典先生でしたが、なかなか意義深い講演でした。もちろん聴いて無意味な講演というもは、そうはありません。 簡単に言ってしまうと、現代の教育問題のほとんどは、社会の変化を原因とする社会病理で…

「机上の空(から)論」~職員室の机上になにもないことには意味がある

A大付属中の職員室に入ると、そこはまるで空き教室のようだ、と聞いたことがあります。机が並んでいるだけで、机上には何もないのです。もちろん学校ですから毎日大量の書類やらプリントやらが配られるのですが、それらは机の持ち主によって繰り返し片付けら…

「計量記念日」~子どもにちょっとウンチクを垂れてみましょう

今日は軽量記念日だそうです。解説によると「1951年6月7日、計量法が公布されたのを記念し制定。これにより尺貫法の単位が原則として法定計量単位から除かれた」ということです。 地理の授業の一番最初に1mものさしを見せて「地球の周の長さはこれ4万本分…

「親は悪くないが、責任は親しか取れない」~それを胸の内に置く

保護者と話をするとき注意しなければならないことのひとつは、「親が悪いとこちらが思っている」、それを気取られないことです。 向こうだって「学校が(先生が)悪い」と思っているのですから、双方で責任のなすりあいになったら泥沼です。また実際に、親は…

「何事にも手順というものがある」~グループ清掃、うまく行っていますね

高学年が低学年を指導するグループ清掃が始まって1日目、かなりよいスタートを切れています。 相当に静かな清掃が行われているのはすぐに分かりますが、私が感心したのは後片付けです。見やすいのでいつもトイレを注意しているのですが、昨日はどこも整然の…

「喧嘩両成敗」~たいていの争いごとは、原因を探り始めたらきりがない

喧嘩をしたら両者にペナルティというのは分かりやすい理屈です。しかし元来「喧嘩両成敗」というのはそういう意味ではありませんでした。 そもそも「喧嘩」自体が「暴力を用いた係争」という意味ですから、どちらか一方が仕掛けた場合でも「喧嘩」となります…

「これでいいのかな? 不審者対応」~逃げ回るだけの子は育てたくない

結局私たちが育てたいのは、道端で誰かに声をかけられたり近づいてこられたりしたとき、大声を上げて逃げたり戦ったりできる子ではありません。それらの中にはさまざまな人がいるからです。 こちらが知らないだけで向こうはこちらをよく知っている近所のお爺…